JRA無観客競馬で響き渡った怒号、そしてG1「1位降着劇」……川田将雅VS北村友一「因縁」の対決も、ロードカナロア2世がたどり着いた予想外の結末【高松宮記念2020】
前哨戦・阪急杯(G3)のゴール手前、1頭分の進路を巡って北村騎手のダイアトニックと、川田騎手のフィアーノロマーノが衝突した。どちらも1、2番人気という負けられない戦いの中、北村騎手が進路を勝ち取り2着に入線した。
だがゴール後に審議のランプが灯り、北村騎手のダイアトニックは、川田騎手のフィアーノロマーノの進路を塞いだとして3着に降着……大きな不利を受けた川田騎手の怒りが爆発し「ユーイチ!」という声が、無観客で静まり返った阪神競馬場に響き渡った。
しかし、その一方でダノンスマッシュの主戦となった川田騎手も苦戦の日々が続く。
高松宮記念直前の記者会見で「私自身左回りは乗っていないのですが、そこに関しては心配していません」と、かつての主戦・北村騎手をチクリ。この“先制パンチ”まではよかったのだが、肝心のレースでは出遅れて10着に大敗……。
皮肉にも左回り適性は、次走に乗り替わったD.レーン騎手が京王杯スプリングC(G2)を勝ったことで証明されている。
その後、再び川田騎手とコンビを組んだ秋のスプリンターズS(G1)では2着と気を吐いたダノンスマッシュだったが、R.ムーア騎手に乗り替わった暮れの香港スプリント(G1)であっさりとG1初制覇してしまった。
なお、日本馬が香港スプリントを制したのは、ダノンスマッシュの父ロードカナロア以来の快挙となった。
かつて父も勝利した京阪杯(G3)、シルクロードS(G3)を連勝し、「ロードカナロア2世」と期待されたダノンスマッシュは、北村騎手でも川田騎手でもなく、ムーア騎手によってその期待に応えたというわけだった。