JRA来年のフェブラリーS(G1)は武豊頼み!? 「低レベル」化進むダートに懸念も…… 暗黒時代突入避けられず
今年は何かと話題の多い1年だった。アーモンドアイの芝9冠達成に始まり、3歳はコントレイル、デアリングタクトという無敗の三冠馬が同年度に誕生した。秋G1では1番人気馬が怒涛の7連勝。また、有馬記念(G1)をクロノジェネシスが制したことにより、牝馬による混合JRA・G1は9勝と、”牝馬が強い年”を象徴するラストとなった。
芝のレースでは、宝塚記念(G1)に加えてグランプリを連勝したクロノジェネシス、三冠馬3頭の激突で空前の盛り上がりを見せたジャパンC(G1)など、好レースを挙げればキリがない。
これに対し、ダートに関しては盛り上がりを欠いた印象が否めない。
モズアスコットが制したフェブラリーS(G1)は、2着に16番人気ケイティブレイブが入り、3連単は46万4920円の大波乱。チャンピオンズC(G1)は、単勝1.4倍と圧倒的1番人気に支持されたクリソベリルが4着に敗れた。10番人気インティが3着の3連単は20万6940円と荒れに荒れた。
波乱に終わるということは、強い馬が強い勝ち方を見せるシーンがなかったことの裏返しともなる。国内8戦無敗を誇ったクリソベリルの敗戦もこれに該当する。
そこへ来て、同馬について残念な知らせも入った。所属しているキャロットクラブからクリソベリルが、右後脚の繋靭帯を損傷しているとの発表があったのである。今後、北海道で経過観察が続けられるとのことだが、回復には時間を要すると考えられている。
故障箇所が靭帯ともなると競走能力への影響は避けられない。18年のチャンピオンズC覇者ルヴァンスレーヴも無類の強さを誇った馬だったが、脚部不安に悩まされ続けた。闘病生活が長引き、約2年ぶりに復帰した今年のかしわ記念(G1)で5着に敗退。続いて帝王賞(G1)でも10着に大敗し、陣営は「本来のパフォーマンスを取り戻すのは難しい」として現役引退を選択した。
フェブラリーSを制したモズアスコット、近年のダート界を引っ張ったG1・5勝馬ゴールドドリームもついに引退。有力馬の相次ぐ離脱でダート戦線は、ニューヒーローの誕生が急務となる。
しかし、次代を担うはずだった3歳世代も大きく期待を裏切った。カフェファラオはチャンピオンズCで古馬相手に力負けといえる6着に終わり、大井の東京大賞典(G1)に出走したダノンファラオも、見せ場なく12着と大敗を喫してしまった。
そこで懸念されるのは、来年のフェブラリーSのメンバーレベルである。