JRA皐月賞1番人気「怪物牝馬」ファンディーナの全弟始動! 高野師「後悔の感情が心の奥底に……」全姉の無念を晴らす活躍なるか?
2017年、圧倒的な強さでデビュー3連勝を飾り、牝馬ながら皐月賞(G1)で1番人気に支持されたファンディーナ。その全弟であるレアリサンド(牡3、栗東・高野友和厩舎)が、5日(火)中京競馬場5R・3歳新馬(芝2000m)でデビューを迎える。
全姉ファンディーナは、デビュー戦からライバルを圧倒。3戦目となったフラワーC(G3)でも馬なりのまま2着に5馬身差を付けて勝利。16年の阪神JF(G1)をデビューからの3連勝で制したソウルスターリングとともに「クラシック戦線の中心」に座する存在として考えられていた。
そしてその才能を確信した陣営は、牝馬ながら皐月賞への挑戦を決断。迎えた牡馬クラシック初戦では単勝2.4倍の1番人気に推された。だがファンディーナは、最後の直線で伸びを欠き7着。牝馬として69年ぶりの制覇は成し遂げられず、オークス(G1)や日本ダービー(G1)に出走することなく休養に入った。
皐月賞後、ファンディーナは、1番人気に支持された復帰戦のローズS(G2)を6着で終えると、続く秋華賞(G1)では13着と大敗。一度狂った歯車は元に戻らず、その後、出走したリゲルSでは9着に終わると、レース後に右腸骨骨折が判明……。長期に渡って療養していたものの、翌年7月に無念の引退を発表している。
「これからの人生で、後悔の感情が心の奥底にずっと残りそう。本当に申し訳ない思いです」
高野調教師はファンディーナ引退時、その才能を開花させることができなかったことを心から悔いていた。昨年は重賞5勝とキャリア最多の重賞勝ちを記録するなど、順調にキャリアを積み重ねている高野師だが、このファンディーナが残したトラウマを払拭するような活躍する管理馬はまだ登場していない。
あの挑戦から4年。ファンディーナの全弟レアリサンドが始動する。新馬戦で騎乗するのは姉の主戦も務めていた岩田康誠騎手。稽古ではその岩田康騎手を背にCウッド6ハロン82秒4、ラスト12秒6を記録した。
管理する高野師は鼻出血があったため、本気では攻めていないというが、「乗り込み量でカバーしている。前重心のフォームで走るので実戦でどう出るか」と『日刊スポーツ」の取材に明かしている。
まだ体調面に若干の不安を残しているだけに、高野師を始めとした陣営からは慎重なコメントが聞かれる。だが、牝馬ながらゆうに500キロを超える馬体を誇っていたファンディーナ同様、レアリサンドも510キロ前後での出走を予定しているといい、姉を彷彿とさせる雄大な馬体でデビューすることになるようだ。
新馬戦は半兄エアアルマスのエアサージュ、マジェスティックウォリアー産駒ウォリアープライド、ユーキャンスマイルの全弟ピーニャなど、一筋縄ではいかなそうなメンバーが揃った。興味深い一戦となるのは間違いないだろう。
今度こそ、その無念を晴らすことができるのか。高野師や関係者たちの思いを乗せ、期待馬レアリサンドが初陣を迎える。