JRA京都金杯(G3)北村友一「申し訳ありませんでした」3番人気で出負け凡走……2020年「54連敗」の悪夢再び!?
59回目にしてはじめて中京競馬場が舞台となった京都金杯(G3)は、12番人気のケイデンスコールが優勝。2着に2番人気のピースワンパラディ、3着には14番人気のエントシャイデンが飛び込み、3連単の払戻しが122万8010円と、「100万馬券」が飛び出すセンセーショナルな1戦となった。
レースは、逃げ粘りを見せるエントシャイデンを最後の直線で岩田康誠騎手のケイデンスコールが好位追走からインをさばいて交わしてゴール。外から伸びてきたピースワンパラディの猛追をしのぎ、18年8月の新潟2歳S(G3)以来となる重賞制覇を飾っている。
また今回は、馬券圏内に入らなかった4着のタイセイビジョンが3番手、武豊騎手を背に1番人気ながら5着に終わったシュリが4、5番手のポジションで進むなど、前で競馬を展開した馬の健闘が目立つ1戦となった。
結果的に前残りのレースとなったため、出足がつかないまま後方からの競馬を強いられた北村友一騎手のレッドガラン(牡6、栗東・安田隆行厩舎)にとっては厳しい展開となったのは否めない。最後の直線では上がり最速33秒6の末脚を見せるも、巻き返すまでには至らず6着。3番人気を裏切る結果となってしまった。
レース後、北村友騎手は「マイルではいい脚を使っていますが、こういう形になったのが悔やまれます。申し訳ありません」と反省しきり。また管理する安田隆師は東京サラブレッドクラブの公式HPで、「ゲート内で周りの馬の影響を受けて冷静さを欠いたため、いいスタートが切れなかった」と出遅れた理由には理解を示すも、「もう少し前で流れに乗れていればと思うと残念です」と無念さをにじませていた。
「戦前、安田隆師は『年末年始も中身の濃い調整』『状態面に関して不安はありません』と、東京サラブレッドクラブの公式HPにコメントを寄せるなど自信をみなぎらせていました。それだけに悔しさはひとしおでしょうね。
騎乗した北村友騎手は昨年末にクロノジェネシスとのコンビで有馬記念(G1)を優勝。また年明けには結婚を発表するなど、年末年始にかけて祝い事が続き、今年は順風満帆なスタートを切る準備は万端だと考えられていました。
ところが、新年初戦は京都金杯など、6戦に騎乗するも勝ち星をあげるどころか5着が精一杯。昨年は初勝利が2月にまでずれ込む『54連敗』を喫してスタートダッシュに大失敗しているだけに、今年、それも初戦に懸ける思いは強かったと思うのですが、うまくいきませんでしたね。今週末の競馬で巻き返しを期待したいです」(競馬誌ライター)
北村友騎手も気合いは十分だったはずだが、それが空回ってしまったのかもしれない。
だが2021年はまだ始まったばかり。これからクロノジェネシスで春、秋のグランプリ制覇を達成するなど、大いに名を上げた昨年以上の活躍に期待したい。