JRA川田将雅は「キーマン」ではない!? ダノンザキッド「師弟コンビ」初G1制覇も安田隆行厩舎リーディング奪取へのカギ握る「主戦騎手」の存在
安田隆行厩舎2年ぶりのリーディングトレーナーへ――。
11日、中京競馬場で行われた新馬戦は、1番人気のリアンクール(牝3歳、栗東・安田隆行厩舎)が優勝。北村友一騎手が今年の初勝利を挙げた。
レースは9頭立てのダート1800m戦。スタートで行き脚のつかなかったリアンクールは最後方からの競馬を強いられた。
ただ、騎乗した北村友騎手が「促してからはついていけた」と振り返ったように、気合をつけると1コーナーでは5番手までリカバリー。馬群の中団でレースを進めた。
直線では最内を突くと、1頭分の隙間を縫って快勝。リアンクールを管理する安田隆厩舎は今年、すでに5勝と絶好調だ。
JRA初日となった5日は2勝を挙げた安田隆厩舎。京都金杯(G3)では2頭出しとなったが、人気薄のケイデンスコールが勝利し幸先の良いスタートを切った。
今週の3日間開催でも9日、10日とそれぞれ1勝すると、11日もリアンクールで勝利。リーディングでも単独トップに立っている。
2019年は62勝を挙げ初のリーディングを獲得したが、昨年は藤沢和雄厩舎に並ぶ46勝で4位タイ。今年は再びリーディングトレーナーに返り咲くことを狙っているだろう。
安田隆厩舎といえば、川田将雅騎手がデビューから2005年末まで所属した厩舎。昨年はホープフルS(G1)のダノンザキッドで師弟コンビとして初のG1制覇を果たし、涙の勝利騎手インタビューとなったのも記憶に新しい。
ただ、安田隆厩舎リーディング「復権」のカギを握るのは、川田騎手ではないと記者はいう。
「安田隆厩舎はここ数年、厩舎の主戦として北村友一騎手に多くの手綱を任せています。再度リーディングを獲得するためには、北村友一騎手の復活がカギになるでしょうね。
昨年、クロノジェネシスでグランプリ春秋連覇を果たした北村騎手ですが、安田隆厩舎の管理馬では、5勝したのに対し2着が11回。取りこぼしたレースも多くありました。一昨年のような活躍ができるようなら、安田隆厩舎のリーディング奪取も十分に考えられると思いますよ」(競馬記者)
確かに、これまで安田隆厩舎の管理馬に数多く騎乗している北村友騎手。2019年に安田隆厩舎がリーディングを獲得した際も、62勝中の24勝を挙げていた。
■安田隆厩舎 2019年騎手別比較
北村友一 24-16- 9-33/82
川田将雅 4- 4- 5- 2/15
■安田隆厩舎 2020年騎手別比較
北村友一 5-11-15-39/70
川田将雅 7- 4- 2- 8/21
北村友騎手は、昨年の1月は0勝と冴えない騎乗が続き年間でも58勝と苦戦。しかし、2018年に90勝、2019年は85勝という好結果を残している。2着回数が1着回数を上回ったのも、近3年では昨年のみ。やはり、取りこぼしが多かった感も否めないところだ。
■北村友騎手 近3年成績
2018年 90- 84- 64-495/733
2019年 85- 63- 95-421/664
2020年 58- 59- 70-370/557
今年、まずは1勝を挙げた北村騎手。この騎手の快進撃が、安田隆厩舎リーディング返り咲きのカギとなりそうだ。