JRAから豪州移籍でまさかの「改名」。 新天地でどん底を味わった「超良血馬」がたどり着いた「異国」は意外な場所!?
2018年のNHKマイルC(G1)を制したケイアイノーテック(牡6歳、栗東・平田修厩舎)が27日付で競走馬登録を抹消し、豪州で現役続行することが明らかになった。
3歳秋以降、掲示板にすら入らないという不振に陥ったケイアイノーテック。昨年のダービー卿CT(G3)で4着に入ると、安田記念(G1)で5着、富士S(G2)で3着と復調気配を見せている。前走の京都金杯(G3)は15着に大敗しているが、まだまだ新天地での活躍に期待できるだろう。
今回、オーストラリア移籍を大きく後押ししたのは、全兄フィアースインパクトの存在が大きかったと考えられる。同馬はイギリスでデビューするも、なかなか芽が出ず4歳時に豪州へ移籍。その後はG1・3勝の大活躍をしており、豪州が合っていると考えられる。そのため、全く同じ血統のケイアイノーテックにもチャンスがありそうだ。
これまで日本馬の豪州G1制覇といえば、メルボルンCを制したデルタブルースに始まり、コーフィールドカップを制したアドマイヤラクティ、メールドグラース、さらにコックスプレートを制したリスグラシューなど、多くの日本馬が活躍している。
また、ケイアイノーテックのように豪州移籍も珍しいことではなくなりつつある。
日本で重賞2勝を挙げたトーセンスターダムは5歳で豪州に主戦場を移し、G1を2勝。さらに現地で種牡馬入りをして、来年には初年度産駒がデビューを控えている。
これは新天地で成功を収めているパターンだが、意外な末路を歩んだ馬もいることを忘れてはならない。
父ディープインパクト、母ラヴズオンリーミーといえば、リアルスティール、ラヴズオンリーユーと2頭のG1馬が真っ先に思い浮かぶだろう。その全兄ラングレーもサンデーレーシングから総額8000万円で募集された期待馬だった。だが、オープンクラスを勝つのがやっとで、重賞には手が届かなかった。
そこで7歳シーズンに下された決断が豪州移籍である。
しかし、移籍にあたりラングレーは「ロードラングレー」に改名をすることになった。これは豪州にラングレーという同名馬がいたことが理由である。
心機一転、ロードラングレーとしてトゥーラックH(G1)に挑むも、18頭立ての最下位。その後の成績は豪競馬メディア『racent』によると、オープンクラスに1度だけ出走したようだ。だが、またしても4頭立ての最下位に敗れている。
そこで気になるのは豪州移籍で結果を残すことが出来なかったラングレーの現在だ。
2019年10月、豪州記者のアンソニー・ホーキンス氏が自身のTwitterに「ラングレーがインドネシアでスタッドインした」と投稿。豪州で結果を残すことが出来なかったが、第3国となるインドネシアで種牡馬生活を送っていると見られる。
パート3国にも認定されていないインドネシアは競馬の発展途上国のため、超良血馬ラングレーが大旋風を起こしてもおかしくない。ディープインパクトの血を世界中に広めるという意味では、異国で重要な仕事をしていると言えるだろう。