【徹底考察】朝日杯FS(G1)ミスエルテ「怪物フランケル産駒の2歳頂点完全制圧なるか!ソウルスターリングと”真逆で唯一”の不安点とは…」
先週の阪神JF(G1)をソウルスターリング(牝2歳、美浦・藤沢和雄厩舎)が圧倒的なパフォーマンスで制し、フランケル産駒初のGI制覇を達成した。今年から世界中で続々とデビューした同産駒だが、先週以前までの最高成績はイギリスのQUEEN KINDLY(母父Rahy)という馬が制したG2 Sky Bet Lowther Stakes(芝1200m・ヨーク競馬場)まで。つまり、阪神JFはフランケル産駒にとって記念すべき「世界初のGI制覇」だったのである。
そして今週末の朝日杯FSにも、同じくフランケルを父に持つミスエルテ(牝2歳、栗東・池江泰寿厩舎)が出走する。異例といっていい牝馬参戦の背景には、生産者や馬主による有力馬「使い分け」の思惑が見え隠れするものの、馬の実力に自信がなければできない芸当というのは確かだろう。
そういった意味で、ミスエルテの朝日杯FS挑戦は非常に興味深い。
父フランケルは現役時代、主に芝1400m~1600mを主戦場とし、通算14戦14勝。その内G1・10勝という破格の成績を残し、「世界史上最強馬」とも呼ばれている。近年、欧州で活躍した馬(ワークフォース、ノヴェリスト、ハービンジャーなど)の産駒は、日本の高速馬場に適しないというイメージが強い。しかし、フランケル産駒は日本で既に重賞を2勝しており、日本の馬場に適性の高い種牡馬であることは証明済みだ。
果たしてミスエルテは朝日杯FSを勝てるのか。その可能性を探るために、まずは前走のファンタジーステークス(G3)から振り返ってみよう。
【前走考察】
11/5 ファンタジーステークス(2歳G3 京都芝1400m) 1着
この日はスタートのタイミングが合わず最後方からの競馬になるが、鞍上の川田騎手は無理に追っつけずゆったり追走。初の1400mでも折り合い面に問題はなかった。
松若騎手が押して先手を主張したショーウェイが、前半3F35秒5の平均的な流れを作る。3コーナーまでは坦々と進み、ショーウェイが2馬身のリードを取ったまま直線へ入った。
4コーナーを回る時、ミスエルテの手応えは決して良くはなかった。馬群の加速に付いていけず、最後方で川田騎手が慌てて手綱をしごいている様子が、レース映像からも伺える。