JRA「ダート王」候補がまさかの回避!? フェブラリーS(G1)にもつながる登竜門「1強」不在で混戦模様も、アノ騎手には嬉しい誤算か
21日、東京9RにヒヤシンスS(L)が行われる。今後のダート界を占う意味で重要な一戦だ。
6月に行われるユニコーンS(G3)までJRAでダート重賞は行われないため、リステッド競走ながらも注目度は重賞級と言っていいだろう。昨年の勝ち馬カフェファラオは、今年のフェブラリーS(G1)でも上位人気が予想される1頭。今年の勝ち馬も3歳ダート路線を引っ張ることになりそうだ。
出走メンバーは無敗馬不在の混戦模様。カトレアS(OP)で2着のタケルペガサス、新馬戦は2着に敗れたものの2連勝中と勢いのあるサトノムスタングあたりが人気を集めるだろう。どの馬にもチャンスがあるレースとなりそうだ。
当初、出走予定で1番人気が濃厚だったレモンポップ(牡3歳、美浦・田中博康厩舎)が登録を行わなかったことが、このような本命不在の事態を引き起こした。
11月のデビュー戦を3馬身差で飾ったレモンポップ。次走のカトレアSも1馬身半差で制しており、3歳ダートNo.1の最有力候補だった。
新馬戦の2着馬がサトノムスタングで、カトレアSの2着馬がタケルペガサスと、負かしてきた相手はヒヤシンスSに出走予定の2頭だ。前者は次走の未勝利戦を7馬身差で制し、後者はレモンポップに完敗したが、3着馬には10馬身差をつけている。この内容が評価されてヒヤシンスSで上位人気となりそうだ。だが、ここを勝つことが出来てもレモンポップの評価を上回ることはないだろう。
カトレアSを制したレモンポップは次走にヒヤシンスSを予定し、3月に行われるUAEダービー(G2)、米国3冠競走にも登録を行っていた。国内を制圧して世界へ羽ばたくことが期待されたが、どうやら予定が狂ったようだ。
「体調が整わないことから、ヒヤシンスSを回避することになったようです。目標を切り替えて調整するようなので、ドバイやアメリカへの遠征は厳しいと思います。残念ではありますが、将来が期待される大器なので無理せず順調にいってほしいですね」(競馬記者)
レモンポップ陣営にとって大誤算であるが、戸崎圭太騎手はコンビ解消を回避することができた。
デビューから2戦続けてレモンポップの手綱を取ってきた戸崎騎手だが、20日のサウジCにチュウワウィザードと参戦するため、ヒヤシンスSでの乗り替わりが避けられない状況だった。だが、レモンポップがレースを回避したことで、次走も手綱を取れることになりそうだ。
昨年のチャンピオンズCで戸崎騎手は乗り替わりのチャンスを活かしてチュウワウィザードを優勝へ導き、サウジアラビア遠征までこぎつけた。また、先日のクイーンC(G3)をアカイトリノムスメで勝利して、牝馬クラシックの強力なパートナーを確保している。
レモンポップの回避は喜ばしいことではないが、戸崎騎手には流れが向いているのかもしれない。