JRAフェブラリーS(G1)「5年連続」馬券圏内継続中! レッドルゼルorワンダーリーデル、根岸S組で「軸」に据えるべきは……
21日、東京競馬場でダート王決定戦フェブラリーS(G1)が開催される。
ダート界の頂上決戦ということで一昔前までは、昨年のチャンピオンズC(G1)や東京大賞典(G1)上位の有力馬を黙って買っておけばいいレースだったが、昨今は川崎記念(G1)に加えて、サウジアラビアのサウジCが創設された影響もあって王者不在の中、思わぬ波乱が続いている。
そんな中、近年の活躍が目立つのは同じ東京競馬場で行われている根岸S(G3)組だ。
特に根岸Sの1、2着馬は5年連続で馬券に絡んでいるなど、その信頼度は抜群。今年は1着レッドルゼル、2着ワンダーリーデルが該当するが、データ的には雲泥の差があるというから驚きだ。
まず、レッドルゼルはこれまで15戦して7勝、馬券圏外に沈んだのがわずか2回と極めて高い安定感が魅力の存在。今回が初のG1挑戦となるが、最有力候補の1頭に名を連ねている。
ただし、これらの良績はすべて1400m以下。フェブラリーSの過去10年の連対馬20頭は、すべて1600m以上の経験があり、そのうち18頭はマイル以上の重賞を勝利していた。残る2頭も3着以内の実績がある。レッドルゼルには厳しいデータだ。
また父ロードカナロアがスピード型であることも距離延長の懸念材料となっているが、それ以上に目立つのが「ダート適性」の低さだ。
芝ではアーモンドアイやサートゥルナーリアなど距離不問の活躍馬が出ている一方、ダートでは1600m以上になると、その多くが3勝クラスで頭打ち。産駒全体でここを突破したのがダノンスプレンダー1頭のみというから驚きだ。
今さらレッドルゼルのダート適性を疑う意味はないが、少なくともロードカナロア産駒にとってダートで1600mを超える距離は大きくパフォーマンスを落とす傾向が極めて強い。管理する安田隆行調教師の「やってなければわからない」という発言は、そのまま受け止めた方が良さそうだ。
一方、根岸Sでレッドルゼルとアタマ差の2着だったワンダーリーデルは、同舞台の武蔵野S(G3)勝ちの実績が光る。
今年すでに8歳と高齢だが、昨年は7歳馬のケイティブレイブが16番人気で2着に好走。高齢馬はそれだけで人気を落とす傾向にあるが、年が明けてまだ2カ月ということもあり、穴馬として度々激走している。陣営も前走手綱を執った田中勝春騎手も「まだ馬が若い」と口を揃えており、ここは狙い目だ。
ただし1997年のG1昇格以降、フェブラリーSに出走した8歳馬は【0.2.1.32】と1着がない。田中勝騎手も自身のブログに前走「いい脚で伸びてくれたんだけど、最後で少し鈍ったところはあるかな」と綴っている通り、ワンダーリーデル自身にも終いが甘くなる傾向がある以上、狙いは2、3着の軸が無難なのかもしれない。
数少ないダートG1とあって、リピーターも目立つフェブラリーS。昨年の勝ち馬モズアスコット、2着ケイティブレイブが不在の今年、終わってみれば「昨年の4着馬が順当に着を上げた」という結果は十分想定できそうだ。