JRA武豊「18年ぶり」究極の選択!? 大器ディープモンスターVS堅実ヨーホーレイクの争奪戦は「アノ名脇役」たちに瓜二つ
28日に阪神競馬場で行われるすみれS(L)は、過去にキングカメハメハ、フサイチコンコルドといった2頭のダービー馬が勝ち馬に名を連ねるクラシック戦線への登竜門だ。
今年は武豊騎手が主戦を務めるディープモンスター(牡3歳、栗東・池江泰寿厩舎)の大本命が予想され、陣営も「勝たないと賞金を加算できないので、ここは結果を出したい」と意気込んでいる。
ここまで3戦2勝ながら、武豊騎手が以前から「なんとも言えない大物感がある」と惚れ込んでいる大器。特に前走の梅花賞(1勝クラス)では、重い馬場をものともせずに1馬身1/4差の快勝。レースを見守った池江泰寿調教師も「言うことなし」と絶賛している通り、日に日にその評価が高まっている。
ただ、仮にディープモンスターがすみれSを勝ったとしても、武豊騎手は頭を悩ませることだろう。今年のレジェンドには、きさらぎ賞(G3)で2着したヨーホーレイク(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)という有力馬もお手馬に控えているからだ。
昨年末のホープフルS(G1)で3着、きさらぎ賞で2着と勝ち切れない競馬が続いているヨーホーレイクだが、いずれもスタートで後手を踏んでの結果。着差はわずかであり「スタートさえ決まれば」と思わせる逸材だ。
ディープモンスターのような大物感は感じられないが、競馬ぶりは安定しており、クラシックの有力馬の1頭として戦えるだけのポテンシャルは秘めている。
荒削りながら一発逆転が狙えそうなディープモンスター、勝ち切るのは難しいかもしれないが上位争いには顔が出せそうなヨーホーレイク……名を取るか、実を取るか、騎手にとっては幸せな悩みかもしれないが、武豊騎手にとってこの状況は「2003年春」と、どこか似ている。
2003年のすみれSで単勝1.7倍の人気に応えてクラシックへ名乗りを挙げたのは、叔父にダービー馬フサイチコンコルドがいるリンカーンだった。
武豊騎手を背に未勝利戦から3連勝。特にすみれSでは、後に競馬界の頂点に上り詰めるゼンノロブロイを破っての勝利。今週末のディープモンスターが勝てば、まさに当時のリンカーンと同じように、春のクラシック戦線へ新星登場となるはずだ。
しかし、一方で武豊騎手には、きさらぎ賞2着から皐月賞(G1)へ向かうサイレントディールというお手馬がいた。こちらはすでにシンザン記念(G3)を勝っている一方、朝日杯FS(G1)では8着に敗れるなど、ヨーホーレイクと同じく実力は確かだが、クラシック制覇には一歩足りなさそうな存在だった。