JRA「主戦失格」の烙印押された三浦皇成はランドオブリバティにとってプラスとなるのか!? スプリングS(G2)M.デムーロ「騎乗停止」で再登板も安心できない理由
ランドオブリバティ陣営は当初、鞍上にM.デムーロ騎手を予定していたが、同騎手は7日の中山8Rでスペキュラースに騎乗した際、スタート後に内側へ斜行。複数馬の進路を狭くしたとして、20日、21日の騎乗停止処分が下された。
かつて主戦を任されていた馬に返り咲いた三浦騎手だが、一度はコンビ解消となったほろ苦い過去もある。
前走きさらぎ賞(G3)でランドオブリバティに騎乗した三浦騎手は、1番人気ながら3着。レース後に三浦騎手は「スタートして挟まれて、後ろからになった」と話したが、「今日はゲートをタイミングよく出すつもりはありませんでした」とコメントしたように、元々前に行く気がなかったかに見えた騎乗内容だった。
これに対し、ネット上の競馬ファンからはSNSや掲示板を通じて「ただの試運転だった?」「勝負しないなら先に言って」「もう乗り替わってほしい」と非難ともとれる声すら上がった。
管理する鹿戸調教師「真面目に走ってくれました」と、無事ゴールしたことを評価した一方で、「もったいない競馬だった」と歯切れの悪いコメントを残した。
これが決定打となったのか、ランドオブリバティ陣営は次走に予定していたスプリングS(G2)を、デムーロ騎手とのコンビで挑むことを発表し、三浦騎手は事実上の「主戦失格」の烙印が押されることとなった。
しかし、この降板劇は単にきさらぎ賞で敗れたことだけが原因となっているわけではない。
伏線となったのは昨年末、2番人気に支持されたホープフルS(G1)の大逸走だ。レースでは4コーナーを曲がり切れないまま、外ラチに向かって走った結果、三浦騎手を振り落として競走中止となっているのだ。
このとき鹿戸雄一調教師は「話にならない」とすでに厳しいコメントをしていた。きさらぎ賞は、いわばホープフルSの「追試」の意味合いも含まれていた訳だが、三浦騎手はチャンスをものにすることが出来なかった。
とはいえ、三浦騎手はランドオブリバティを失ったものの、1月の京成杯(G3)でデムーロ騎手が2着と敗れたタイムトゥヘヴンとのコンビで弥生賞(G2)の参戦が決定。新たに得たパートナーと皐月賞の権利取りを目指したものの、6着に敗れて期待を裏切る結果に終わっていた。
スプリングS(G2)でデムーロ騎手の手腕に託すはずだったランドオブリバティ陣営にとっては大誤算となったが、皐月賞の騎乗馬がいなくなった三浦騎手にとって、デムーロ騎手の騎乗停止で舞い込んだ再登板は、僥倖といえるのかもしれない。