【徹底考察】有馬記念(G1)キタサンブラック「年度代表馬の称号獲得へ負けられない1戦!大団円への必須条件は、”公開枠順抽選会”にあり!?」


 そのせいか、キタサンブラックの単勝オッズは3.8倍。1番人気とはいえ圧倒的な支持を受けていたわけではなかった。同舞台の日本ダービーで生涯唯一の大敗を喫していた点も、評価を落とす要因だったと推測される。

 レースは序盤、好スタートを切ったキタサンブラックが楽にハナを奪い、マイペースの単騎逃げに持ち込む展開。リアルスティールは外枠から掛かり気味に先行し、ゴールドアクターは好位のインにピタッと収まってレースを進めた。

 宝塚記念でオーバーペースを生み出す要因となったワンアンドオンリーが番手の位置につけるも、当時ほど競りかけてはこず、前半1000mのラップは61.7と比較的ゆったりした流れ。そのままレースは淡々と進み、キタサンブラックが先頭を保ったままコーナーを回った。

 直線を向いた時点でも、鞍上・武豊騎手の手綱はまだ持ったまま。後ろのゴールドアクターやリアルスティールが先に苦しくなるなか、1頭だけ伸びて後続を突き放した。最後に中団の外めで脚を溜めたサウンズオブアースとシュヴァルグランが追い込むも、ゴールまで伸びを切らさず2馬身半のリードを保ってフィニッシュ。文字通りの”圧逃劇”であった。

 キタサンブラックのジャパンCのレースぶりについて、ネットやメディアでは2つの正反対の見解が出た。1つは「誰も競りかけない楽なレースだった」という否定的な見解、もう1つは「武豊の絶妙なペース配分が光った」という肯定的な見解だ。

 この2つの見解は、ある意味どちらも正しい。ゆったりしたペースで後続のプレッシャーなく運べれば有利なのは間違いなく、そういう意味では「楽なレースだった」と断言して差し支えないだろう。

 一方の、「武豊騎手の絶妙なペース配分が光った」という意見は、単にレースを見ただけではわかりづらい。キタサンブラックが刻んだラップを並べると、

13.3-11.3-12.6-12.3-12.2-12.5-12.7-12.3-11.9-11.2-11.4-12.1

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