武豊の鉄人伝説!! 今だから振り返りたい「驚愕のカムバック」数々の悪夢や落馬事故を乗り越えて……
さらに2008年11月。自身39歳のシーズンは京都の新馬戦で落馬。今度は右手首を骨折してしまう。前週のエリザベス女王杯(G1)でポルトフィーノに騎乗も、スタート直後に落馬。3.7倍の3番人気に支持された同馬の落馬で、投じられた40億円が一瞬にして紙クズとなった件を覚えているファンも多いだろう。
実はその際、右手を打撲していた武豊騎手。同じ箇所を負傷する不運が重なったものの、驚異の回復力で1ヶ月後には戦列復帰。結局、その年は143勝を挙げて、7年連続18度目のリーディングジョッキーに輝いた。
最後は2010年。阪神10Rでザタイキの骨折で落馬したのは、3月27日の毎日杯(G3)。ちょうど今の時期と重なる、11年前の出来事だった。
自身の騎手人生で最大のケガを負ったこの落馬事故では、左鎖骨遠位端骨折、腰椎横突起骨折などの重症を負い、全治半年と診断。「さすがの武豊騎手も、今回ばかりは……」と、競馬ファンなら誰しも心配したはずだ。
しかしここでも、周囲を驚かせる回復力を披露してくれた武豊騎手。同年8月1日の小倉6R、3歳未勝利戦でターフにカムバックすると、127日ぶりの復帰戦は4着。さらに当日の12Rではダノンエリモトップに騎乗して、4ヶ月ぶりの復帰後初勝利を収めたのだった。
これまで数々の落馬事故での大ケガを乗り越えてきた武豊騎手。その度に、周囲の期待をいい意味で裏切る回復力をみせてくれた彼ならば、今回の骨折も必ずや克服して早期カムバックしてくれるはずだ。
稀代のレジェンド騎手が、一日でも早くターフに戻ってくることを願いたい。