JRA毎日杯(G3)シャフリヤールが日本レコードタイ勝ちで「エフフォーリア株」爆上がり!? 牡馬クラシック戦線は共同通信杯組が中心か
27日、阪神競馬場では、皐月賞(G1)への「東上最終便」とも呼ばれる毎日杯(G3)が行われ、2番人気に支持されたシャフリヤール(牡3歳、栗東・藤原英昭厩舎)が圧巻の走りで重賞初制覇を飾った。
スタートでやや立ち遅れたシャフリヤール。鞍上の川田将雅騎手に促されると、馬群の中に突っ込む形で道中は4番手の好位を進んだ。1000m通過が57秒6というハイペースの中、直線では内目に進路を選択。射程圏に入れていた3番人気ルペルカーリアをまず競り落とすと、外から急追した1番人気グレートマジシャンをクビ差抑え、先頭でゴールを駆け抜けた。
ハイペースも手伝って1分43秒9という日本レコードタイ記録で、全兄アルアインに続く兄弟制覇を果たした。今後は、兄と同じく中2週で皐月賞に向かうのか、それとも日本ダービー(G1)を目標に切り替えるのか、陣営の判断にも注目が集まる。
シャフリヤールの勝利で評価を高めたのは、共同通信杯(G3)組だ。元JRA騎手の安藤勝己氏は自身のTwitterで「シャフリヤールが共同通信杯のレベルを裏付けた」と記した通り、2月東京の9ハロン戦で上位を占めた3頭への注目度は一段とアップした。
中でも評価が急上昇中なのは、デビュー3連勝で共同通信杯を制したエフフォーリアだろう。
8月札幌のデビュー戦で単勝1.4倍の1番人気に支持された逸材だったが、2戦目の百日草特別(1勝クラス)は2番人気、そして共同通信杯では4番人気と、3連勝を飾るまでは、あくまでも数あるクラシック候補の1頭という位置づけだった。
しかし、ヴィクティファルス以下を寄せ付けず共同通信杯を勝利したことで、クラシック有力候補の1頭と騒がれることに。その後、弥生賞(G2)でダノンザキッドの連勝が止まり、一気に主役候補に浮上していた。
さらに共同通信杯で2馬身半差の2着に入ったヴィクティファルスが、先週のスプリングS(G2)を勝利。そのヴィクティファルスからアタマ差の3着だったシャフリヤールが毎日杯でレコード勝ちを収め、共同通信杯のレースレベルの高さは確たるものとなった。
昨秋以降、ダノンザキッドを中心に動いていた牡馬クラシック戦線。シャフリヤールが重賞初制覇を飾ったことで、その主役はエフフォーリアになったのは間違いない。
すでに横山武史騎手とのコンビで皐月賞参戦が決まっているエフフォーリア。22歳の若武者は、奇しくも毎日杯直後の日経賞(G2)でウインマリリンを勝利に導き、自身重賞4勝目を挙げた。
G1では通算9戦と経験が浅く、最高着順も4着という横山武騎手。走ることなく株が上がり続けるエフフォーリアと臨む皐月賞に向けて、プレッシャーとの戦いはもう始まっている。