有馬記念「地球上最高のイベント?」 今年の売上がJRA&競馬界に与える決定的なメルクマークとは……

「Sports Graphic Number917・918」(文藝春秋)

 いよいよ年末の大一番、有馬記念が目前に迫ってきた。

競馬のことは知らなくても、有馬記念だけは馬券を買う」と言う年配の方も多い当レース。一般の認知度は他のG1と比べで抜きん出ており、年の瀬を彩る国民的行事として親しまれている。

 知名度の高さを端的に示すのが、その莫大な売り上げだ。過去最高はサクラローレルが優勝した1996年の約875億円。この数字は全地球上の競馬イベントと比較してもずば抜けており、ギネス・ワールド・レコーズにも「世界で最も勝馬投票券の売り上げのあるレース」として認定されているのである。

 ちなみに、フサイチコンコルドが制した同年日本ダービーの売り上げが約475億円。日本で2番目に売れるのがダービーだが、それと比較しても有馬記念の規模はすさまじいということがわかるだろう。

 近年は景気後退やそれに伴うサラリーマン賃金の減少により、数字面では残念ながら減少傾向にある。2012年には350億円を割り込み、ピーク時の40%以下まで数字を落とした。しかし、ここ数年は復調気配を見せ、それにともなって有馬記念の売り上げも少しずつ増加している。昨年は2009年以来6年ぶりに400億円の大台を突破。バブル全盛の時代には及ばないものの、競馬人気は着実に上昇の道を辿っているのだ。

 そして今年である。競馬関係者、ひいては競馬を愛する多くの日本人にとって、2016年度有馬記念の売り上げは、ある意味で「レース結果以上に」関心の高いポイントに違いない。

 なぜなら今年は、過去10年で最も「世間の注目を集めた」年だからだ。

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