有馬記念はサトノダイヤモンド「三つ巴」の激戦で涙の勝利! キタサンブラック、ゴールドアクター「最強の戦い」に感動
そう、2強ではなく「3強」である。先頭争いを演じるキタサンブラックとゴールドアクターの直後、キレない馬場を力強く駆け抜け、そのエンジンを爆発させんとするサトノダイヤモンドの姿がそこにあった。ラスト100mを過ぎてから一気にその本領を発揮。一完歩、一完歩、2頭に確実に詰め寄っていく。
残り50mを切り、ゴールドアクターを捉えたサトノダイヤモンド。そこからは「一瞬」だった。
稲妻のような瞬間的なキレ味で、あとわずかで勝利を掴むと思われたキタサンブラックに並びかけ、捉え切ってのゴールイン。ゴール後、ルメール騎手は確信したように拳を振った。
レース後半、キタサンブラックを追い落とさんと早めに前に取りつく勝負に出たサトノダイヤモンド、周囲の激流を我慢し、インコースに活路を見出して善戦したゴールドアクター、そして、すべてのライバルの標的となりながら、最後までその強さを示したキタサンブラック。
2016年最後のG1レースは、紛れもなく2016年最高の、濃密なレースとなった。持ちうるすべての力を出し切った「3強決戦」は、サトノダイヤモンドが新時代を告げる戴冠。C.ルメール騎手は勝利インタビューで「しゃべれない……」と、熱い涙を隠さなかった。