JRA大阪杯(G1)川田将雅を決心させた「8馬身差ぶっちぎり」レース!? レイパパレ歴史的圧勝劇の確かにあった「前兆」とは
「阪神9Rの明石特別(2勝クラス)ですね。大阪杯の約1時間前に同じ芝2000mで行われたレースですが、ハナに立った4番人気のニホンピロスクーロが最後の直線で逆に後続を突き放して、結局8馬身差の圧勝。(競馬記者)
また、阪神10R・淀屋橋S(3勝クラス、芝1200m)でも、逃げたサウンドカナロアが前半600mを33.7秒と暴走気味に逃げ、後半600mが36.5秒とバタバタになったにもかかわらず2着に好走。逃げ馬にとって、非常に有利な馬場コンディションになっていたことは間違いないと思います」(競馬記者)
これを敏感に感じ取っていたと思われるのが、まさに川田騎手だった。
前走の京都記念(G2)で逃げたハッピーグリンに対して、前走のレイパパレは2番手からの競馬。戦前はこの2頭のハナ争いになると予想されていたが、川田騎手はレース前から「馬場的にも、周りの馬的にも、今日はスムーズにハナまで行ってしまおう」と決意を固めていたという。結果的には、この決断が最大の勝因だったといえるだろう。
それは勝利騎手インタビューでの「やはりこういう馬場なので、伸びてくるのは難しい」という言葉からも伝わってくる。コントレイル、グランアレグリア、サリオスを相手に4馬身差の圧勝劇を飾ったのは、綿密に計算された川田騎手の作戦が完璧にハマった結果に違いない。
「この後、この馬が背負っていくものは極端に大きくなりました。それに見合う走りを今後もできるように一戦、一戦しっかり走っていきたいと思います」
最後にそうレイパパレの今後に期待を寄せた川田騎手は、これで先週の高松宮記念(G1)に続くG1・2連勝。冴えわたる日本人騎手のエースが、春のG1戦線の主役に躍り出た。