【東京大賞典考察】アウォーディー「ダート初の敗戦は武豊騎手のオヤジギャグ連発にグレたから?最大の弱点を露呈しない鍵は、意外にも『あのライバル』の復調か?」
『考察』
ダート転向後の連勝が「6」で途絶えたアウォーディーが巻き返しを懸けて、29日の東京大賞典(G1)に挑む。
前走のチャンピオンズC(G1)は結果だけを見れば、敗れたとはいえ勝ったサウンドトゥルーとはクビ差の2着。悲観するような順位ではない。ただし、こと「内容」に関しては連勝が止まったこと以上に大きな課題が浮き彫りとなった一戦だった。
まずは、そのチャンピオンズCを振り返りたい。
この秋のJBCクラシック(G1)でホッコータルマエ以下を破り、ダート界の新王者として中央競馬凱旋を果たしたアウォーディー。
ダート転向後から止まらない連勝街道。天皇賞馬ヘヴンリーロマンスの息子であり、主戦に武豊というスター性あふれる背景は、即座にファンを魅了した。初のJRAでのG1挑戦は、ライバルたちを押し退け単勝2.2倍という高い支持を集めている。
「1番人気の2枠2番」からの発走ということもあり、進路を確保するためにスタートからある程度出して行った武豊騎手。おそらく番手の競馬をイメージしていたのだろう。スタートしてすぐに、結果的に2番手から3着に粘り込むアスカノロマンの直後に入れて折り合いを付けている。ここまでは、ほぼパーフェクトに近い騎乗だったのではないか。
ところがその直後、1コーナー手前でアウォーディーがいきなり減速。番手につけたアスカノロマンに大きく引き離されて、6番手という中団やや前までポジションを落としている。ただ、幸いにもちょうどそこが馬群の切れ目のポケットになっており、大きな傷には至らなかった。
そのままの位置取りで無難に2コーナーを回って向正面に入ったアウォーディー。再びリズムを取り戻したかに見えたが、3コーナーの手前でまたも減速。突如として、武豊騎手の手が大きく動いている。
武豊騎手はそのまま勢いをつけて、3、4コーナーで一息にまくりの競馬に出たが、3コーナー過ぎたところで、アウォーディーが今度は口向きを外に向けて減速。結局、まくり切れないまま最後の直線に入った。