JRA 「世紀の一戦」から一変……大阪杯(G1)人気馬3頭見せ場すら作れず総崩れの「凡レース」と化してしまった理由

 4日、阪神競馬場で行われた大阪杯(G1)。

 無敗の三冠馬コントレイル、最優秀短距離馬グランアレグリア、世代No.2馬サリオスが一堂に会した頂上決戦。現在の競馬界の最有力馬たちが顔を揃える「世紀の一戦」として大きな注目が集まった。

 ゲートが開かれると5戦5勝の牝馬レイパパレがハナを奪い、やや速めのペースの逃げに持ち込むと、直線に入ってからも後続を突き放して4馬身差の圧勝。2着には単勝68.8倍の伏兵モズベッロが入り、人気を集めていた3頭、コントレイル、グランアレグリア、サリオスはまさかの3着以下に揃って敗れた。

 G1初挑戦であったにもかかわらず、自ら逃げてペースを作り、コントレイル以下「3強」を寄せ付けなかったレイパパレの走りは賞賛に値するものだろう。無敗で古馬G1を制するのはファインモーション、クリソベリルに次いで史上3頭目の偉業を達成した。

 レイパパレの快挙で幕を閉じた今回の大阪杯だったが、一方で、戦前の異様なまでの盛り上がりに比べると、やや拍子抜けするような形でレースの決着がついてしまったと感じたファンの方も多かったのではないだろうか。

 レイパパレの走りは確かに素晴らしいものがあった。しかし、本来であれば3強が死力を尽くしてぶつかり合うようなレースが期待されており、3頭が実力を出し切ったのかどうかも分からぬまま敗退してゆく姿を見るのは、3 強対決を望んでいた本意ではなかったのではないだろうか。

 同日9Rに行われた明石特別の時点で、その前兆はあったのかもしれない。

 本降りの雨の中で行われたこのレースは、4番人気のニホンピロスクーロがハナを奪うと、後続を寄せ付けずに圧勝。1番人気のサンテローズや、ルメール騎手が騎乗したヴィクターバローズが伸びあぐねる中、ニホンピロアワーズ産駒の同馬が直線で8馬身突き離した。

「結局は雨が降り過ぎましたね。重馬場に対する適性が大きく左右する状態でした。しかも9Rや直前の10Rを見ても分かる通り、逃げ馬が残りやすい馬場だったともいえるかもしれません。

展開と馬場が向いた印象の強いレイパパレに対し、コントレイルをはじめとする上位人気馬が本来の実力を発揮できないままレースを終えてしまったことも、盛り上がりを欠く原因となったのではないでしょうか」(競馬記者)

 1番人気で3着に敗れたコントレイルの矢作師が、「馬場に尽きる。勝ち馬が強かったのもあるけど、馬場を気にして進んでいなかった」とコメントしていることからも、決して実力負けではないという想いも感じる。

 圧勝したレイパパレとしても、良馬場でライバルを打ちのめすことにより、見る者全てが納得するような真のチャンピオンとしての評価を確固たるものにできるのではないか。

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