松山英樹や大谷翔平に続け!? 本格復帰果たす「世界のトサキ」の皐月賞(G1)に大注目!!
「世界のトサキ」が帰ってくる。
3月末のドバイ遠征を終え、帰国後の自主隔離期間が終了した戸崎圭太騎手。17日の第3回中山競馬最終週から、JRAへ本格復帰を果たすことになった。
今シーズンの戸崎騎手は、年頭から世界を股にかけるジョッキーとして大活躍。2月のサウジアラビア遠征では、代打騎乗のピンクカメハメハでサウジダービー優勝。興奮冷めやらぬゴール後の、海外メディアから馬上でインタビューを受けた際の英会話も話題となった。
大金星を挙げた後に一時帰国した戸崎騎手は、3月にドバイ遠征へと出発。サウジアラビアから転戦してきたマテラスカイらと現地で再会し、メインのドバイワールドカップ(G1)では、チュウワウィザードで2着という好結果を残した。
同レースでは、2011年にワンツーフィニッシュを決めたヴィクトワールピサ、トランセンド以来となる日本調教馬の連対を達成。さらにダートで行われた同レースでは、2001年のトゥザヴィクトリー以来となる2着に入る大健闘をみせるなど、その快挙はもっと報じられてもよいだろう。
ここ2〜3年は、戸崎騎手にとって騎手人生の“転機”を迎えたシーズンだったのかもしれない。
2019年11月のJCBレディスクラシック(Jpn1)で落馬。右肘開放骨折の重症を負い、約半年間の休養を余儀なくされた。
しかし今後も続く長い騎手人生の先を見据え、焦ることなく治療に専念。その間に従来の食生活を見直すなど、フィジカル面も強化したという。
2度の出術とリハビリを経て、2020年5月23日に復帰を果たした戸崎騎手。さっそく、6月6日に復帰後初勝利を挙げると、8月16日には関屋記念(G3)で復帰後初重賞制覇。
さらに12月6日のチャンピオンズC(G1)をチュウワウィザードで優勝。ダートを主戦場とする地方競馬出身の戸崎騎手にとって、意外にも自身初となるJRAダートG1制覇を果たした。
そして年が明けた2021年。すでに2度の海外競馬を経験しただけでなく、ドバイから帰国後の自主隔離期間を終えた14日には、大井競馬場で東京スプリント(G3)に参戦する華麗なフットワークをみせている。
海外遠征や地方競馬へ積極的に参戦する姿をみると、今シーズンは近年のうちで最も充実したジョッキー人生を送っているようにみえる戸崎騎手。唯一の懸念点といえば、自主隔離期間も含めると、なかなか日本の競馬に腰を据えて参戦することができなかった点だろう。
しかし、今週からようやく腰を据えてのJRA参戦。17日は7頭、18日は5頭がスタンバイする両日とも、中山競馬場での騎乗が予定されている。
周知のとおり、今週末の皐月賞(G1)には、ディープモンスターで参戦する戸崎騎手。同騎手の皐月賞の通算成績を調べると、サトノネプチューンで参戦した2013年から19年まで、7年連続騎乗。また18年には7番人気のエポカドーロで優勝。19年にはダノンキングリーで3着と、通算7戦1勝(3着1回)で、勝率と連対率はともに14.3%、複勝率28.6%という成績が残っている。
2013年にJRA騎手免許を取得して以来、連続して皐月賞に騎乗していた戸崎騎手も、昨年の皐月賞は先述した落馬事故の影響で騎乗できず。連続騎乗は途絶えた一方で18、19年と2年連続で馬券圏内に絡んだ実績をみると、皐月賞と戸崎騎手の相性は「上昇ムード」といえるだろう。
ここ最近のスポーツ界に目を向けると、MLBで投打に渡る大活躍をみせる大谷翔平選手のほか、日本人初となるマスターズ優勝を果たした松山英樹選手ら、海外での日本人アスリートたちの活躍が目立っている。
先のサウジ・ドバイ遠征で大活躍した戸崎騎手も、世界のメディアにその名を響かせたはず。英会話の上達を期待しつつ、皐月賞では「世界のトサキ」の手綱さばきに注目したい。