JRA 武豊も認めた実力!? 古川奈穂が新人ジョッキー単独の「6勝目」。藤田菜七子、永島まなみと繰り広げた「女同士の戦い」に断!
17日、新潟競馬場で行われた7Rの若手騎手限定1勝クラスは、古川奈穂騎手が騎乗したクラウンデザイアー(牡4歳、栗東・中竹和也厩舎)が優勝。2着に藤田菜七子騎手のキムケンドリーム、3着に永島まなみ騎手のモノポリーアイズが入線し、JRAで初めて女性騎手が3着までを独占する結果となった。
先週10日には、同じく新潟競馬7Rで藤田騎手が1着、永島騎手が2着となり、女性騎手のワンツーフィニッシュが話題となったばかり。今後も女性騎手の話題はしばらく尽きそうにない。
近年で女性騎手が話題を呼んだのは、やはり藤田騎手がデビューした2016年。16年ぶりに誕生したJRA生え抜きの女性騎手として、各メディアでも大きな注目を集めた。
藤田騎手は初年度に6勝。2年後の2018年にはJRA女性騎手の最多勝利記録を樹立し、その翌年にはJRA所属の女性騎手としては、史上初のJRA重賞制覇を成し遂げている。
一方で古川奈騎手は、3月13日の初白星から4週連続の勝利を飾り、新人騎手の初勝利からの記録としては2位の福永祐一騎手に並ぶ4週連続Vを達成。今回の勝利で6勝目と、すでに藤田騎手の初年度成績に肩を並べている。
しかし、これで藤田騎手以上に乗れると考えるのは、もちろん早計だ。
「大活躍を見せる古川奈騎手ですが、やはり矢作厩舎のバックアップは相当に大きいですよ。さらに、もう一人の矢作厩舎所属ジョッキーである坂井瑠星騎手が海外遠征していたことも、4週連続勝利に繋がったといえるでしょう。
コロナの隔離期間も終わり17日から坂井騎手もJRAでの騎乗を再開していますから、今後の乗鞍は減少するのではないでしょうか。とはいえ、若手限定騎手のレースなどもありますから、これからも勝ち鞍は伸ばすと思いますよ」(競馬記者)
今回挙げた勝利は中竹和也厩舎の所属馬であったが、実際これまでの5勝を振り返ると全て矢作芳人厩舎の管理馬。今年20勝を挙げリーディングトップを走る名トレーナーの後ろ盾は、確かに大きいといえそうだ。
初勝利を挙げたのも、バスラットレオンの1勝クラス。続くニュージーランドT(G2)では藤岡佑介騎手が騎乗したが、重賞で5馬身差の圧勝を飾った実力からも1勝クラスでモノが違ったことは明白である。
ただ、これも女性騎手であるとともに、矢作厩舎に所属することとなった古川奈騎手の実力。武豊騎手が『武井壮の鉄人列伝』(NHK)に出演した際「いい馬に乗れる状況や環境を作っているのがジョッキーなので『同じ馬に乗ったら負けない』とかは、僕は騎手として言っちゃいけないことだと思います」と話したように、これも自らが作った環境なのだ。
今年の6勝目を挙げ、1年目の新人ジョッキーとして単独トップに立った古川奈騎手。この成績を維持できるかは、他厩舎からも認められる好騎乗にかかっているのかもしれない。
(文=北野なるはや)
<著者プロフィール>
某競走馬育成牧場で働いた後、様々なジャンルの仕事で競馬関連会社を転々とする。その後、好きが高じて趣味でプログラミングを学習。馬券には一切のロマンを挟まないデータ派であるが、POG(ペーパーオーナーゲーム)では馬体派という奇妙な一面も持つ。