JRA「阪神園芸」もビックリな職人芸!? 超ロングラン開催でも馬場コンディションを守り続けた馬場造園課の尽力
その数値はそれほど変化なく、むしろ週末の雨に泣かされた馬場コンディションを考えると、わずかな差に収めている阪神競馬場の造園課の「職人芸」に驚かされる結果となった。
先に記した第1・2回阪神開催の、すべてのクッション値を記すことは省略するが、その数値は絶対的な安定感を誇っていた。
毎週金曜日10時、土・日ともに朝7時30分の3回に分けて発表されるクッション値。つまり第1回阪神開催の計12日で、都合33回も発表されているが、最も高い数値は10.6で、低い数値は8.9。その差は1.7と、わずかな差に収まっていた。
第2回阪神開催で発表されている数値を見ても、最高値10.3に対して最低値は8.8と、その差はわずか1.5。
JRAの公式サイトでは、クッション値8以上10未満が「標準」で、10以上12が「やや硬め」と定義されており、その差2以内の範囲に収まっていれば、馬場状態の変化は、ほぼなしと想定できる。
特に今年の阪神開催は、例年以上に雨に祟られた感もある。3月21日の阪神大賞典(G2)や、4月4日の大阪杯(G1)の馬場状態はともに「重」。その後の11日の桜花賞(G1)は「良」に回復するも、先々週17日のアーリントンC(G3)は「重」と、例年以上に馬場コンディションを一定に保つのは至難の技だったはずだ。
異例の超ロングラン開催と、例年にない悪天候にも負けず、阪神競馬場の造園課の職人芸によって、阪神競馬場の芝状態は守られたといっても良いだろう。
あの甲子園球場のグラウンドの守護神ともよばれる阪神園芸は、天候によって外野の芝・内野の土コンディションが大きく左右されるなか、常にその状態をキープ。その「職人芸」は、プロ野球界ではもちろん、夏の甲子園大会でも常々絶賛されている。
その「阪神園芸」に勝るとも劣らない、阪神競馬場の造園課の「職人芸」を見せつけられた感のある、今年の阪神開催。もちろん、阪神競馬場の「芝の守護神」といえる造園課の努力も称賛に値するが、今はただ、酷使され続けた阪神競馬場の芝に対して「お疲れさまでした……」と優しく語りかけたい。