JRA 古川奈穂「菜七子超え」目前で痛恨の戦線離脱! C.ルメールを抑えリーディングジョッキーに輝いた「フランスの名手」にも共通点、デビュー前からの不安が現実に
今年の3月にデビューし、既に6勝を挙げている古川奈穂騎手が、今週から無期限で休養に入ることが明らかになった。
25日の新潟7Rでラブエスポーに騎乗した際、スタート後の先行争いで他馬に挟まれる形となりバランスを崩すと追えずに後方からの競馬。レース後も左肩に違和感があったとのことで、所属厩舎の矢作芳人調教師と協議した結果、騎乗を見合わせることになったという。
矢作調教師は「万全じゃなければ迷惑をかけることになるし、治療に入ってもらい手術も視野に休養させます」と説明。30日に検査をして、手術後は数カ月の休養に入る予定のようだ。
古川奈騎手といえば、JRAでは2016年の藤田菜七子騎手以来5年ぶりの女性騎手。大きな注目を集めたデビュー前のインタビューでは、今回の件に繋がる競馬学校時代の話に答えている。
「左肩のケガがあって留年しました。関節が柔らかすぎて脱臼癖みたいになってしまって。癖になってもいけないとも言われて手術を決断しました。その時に3カ月休学して進級試験ができなかったんです」
『中日スポーツ』の取材に対し、そのように語っていた古川奈騎手。今回に関してもスタート後の先行争いでバランスを崩し、道中で左肩をグルグルと回してはめ込むような動きが見られたことから、恐らくは脱臼だと思われる。
「バスラットレオンで初勝利を挙げた際も残り100m辺りでバランスを崩した古川奈騎手ですが、その時は左鞭を入れた際に亜脱臼したようです。手術後も脱臼癖が治っていないとなると今後への不安も拭えないですから、いまは治療に専念してほしいですね」(競馬記者)
デビューからの2カ月で既に2回となれば、今後も再発する可能性は高い。新人騎手のトップ争いを繰り広げていただけに残念ではあるが、まだ先の長い20歳だけに一日も早い回復を祈りたいところだ。
脱臼癖といえばフランスの名手・I.メンディザバル騎手も、それに苦しんだ1人ではないだろうか。
メンディザバル騎手は2004年、サンタラリ賞をアスクフォーザムーンで制し、G1レース初勝利。さらに当年はフランス歴代最多勝記録となる年間220勝を記録し、初のフランスリーディングジョッキーとなった名手だ。