JRA ワールドプレミア武豊「降板」は正しかったのか!? 天皇賞・春(G1)福永祐一に求められる代打成功の可能性とは
全盛期の成績を含むため、武豊騎手の騎乗馬の質を考慮すると当然の結果かもしれないが、得意とする京都競馬場だけにさすがの成績といえる。
一方、福永騎手の2勝の内訳は2013年菊花賞のエピファネイア(単勝1.6倍)と2020年菊花賞のコントレイル(単勝1.1倍)で挙げたもの。勝利数で頼りなく映るのは仕方ないが、07年天皇賞・春の2着エリモエクスパイア(11番人気)、16年菊花賞の2着レインボーライン(9番人気)、19年菊花賞のサトノルークス(8番人気)など、穴馬でもしっかりと結果を残しているのは魅力だ。
ひとつ懸念があるとすれば、今回と同じように武豊騎手の負傷により、主戦を務めていたエアスピネルがR.ムーア騎手へ乗り替わりとなった2017年のマイルCS(G1)の例だろう。このとき、最終的に間に合った武豊騎手はジョーストリクトリに騎乗して最下位の18着。ムーア騎手のエアスピネルはハナ差の2着と敗れている。
当時の状況に酷似する今回の一件だが、福永騎手はワールドプレミアを1着に導くことができるだろうか。その手綱捌きに注目したい。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。