JRA 福永祐一先生「的確過ぎ」公開予想にC.ルメールも白旗!? 天皇賞・春(G1)「クリストフは早めに動かない」トップジョッキーも兜を脱いだ、恐るべき洞察力
2日、阪神競馬場で行われた天皇賞・春(G1)は、3番人気のワールドプレミア(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)が優勝。長距離王フィエールマンの引退に伴う新王者決定戦で、2019年の菊花賞以来となるG1・2勝目を挙げた。
昔から「長距離戦は騎手」と言われるが、それは3000m級の長丁場を走る上で、各馬の鞍上の思考や作戦が複雑に交差するからだ。力の劣る馬でもジョッキーの乗り方次第で上位進出の可能性が増し、逆に有力馬でも作戦ミスが起きれば思わぬ結果になってしまうことも珍しくない。
勝ち馬のワールドプレミアは主戦の武豊騎手が騎乗予定だったが、3月の落馬負傷によって急遽、福永祐一騎手への乗り替わりが決定。昨年、コントレイルとのコンビで史上3頭目となる無敗三冠を達成した名手にとっても、初コンビでの長距離G1は決して生優しい一戦ではなかったはずだ。
そんな難解な一戦で光ったのが、福永騎手の「戦略」と「洞察力」だ。
騎手は予め様々な展開をシミュレーションしてレースに挑むのが一般的だが、福永騎手といえば競馬界きっての戦略家として知られ、事前の準備を誰よりも大事にするジョッキーだ。
YouTube『カンテレ競馬』公式チャンネルの『教えて! 福永祐一先生』に登場した福永騎手は、27年ぶりに舞台となった阪神の芝3200mコースについて解説。同時に披露した天皇賞・春の展開予想は、まさに「戦略家・福永祐一」の真骨頂といえる内容だった。
詳細はぜひ本動画をご覧いただきたいが、動画内でピックアップされたのはディアスティマ、アリストテレス、ディープボンド、カレンブーケドール、ウインマリリン、ユーキャンスマイル、そして福永騎手が騎乗するワールドプレミアの有力馬7頭の動向だ。
展開を予想した福永騎手は、逃げるディアスティマを先頭に、先行勢としてディープボンド、カレンブーケドール、ウインマリリンを並べると、そのすぐ後ろにアリストテレス、そのさらに後ろにワールドプレミア、後方にユーキャンスマイルという順に駒を並べる。
ご存知の通り、本番のレースもやや中団となったウインマリリン以外は、すべて予想通りの隊列だった。逆に言えば福永騎手の読み通りの展開だったともいえる。
そして、ここからがまさに“福永先生”の真骨頂だった。