JRA 川田将雅「鬼騎乗」で無敗女王ソダシ轟沈……藤田伸二氏「そんなイジメんな」須貝尚介調教師「併せ馬の形になって引っ掛かった」
ハナに立てるほどの好スタートを決めたソダシだったが、吉田隼騎手は内から先手を主張したクールキャットを行かせて得意の先行策に持ち込もうとした。しかし、そこに外から襲い掛かったのが、川田騎手のステラリアだ。
藤田氏の「(川田)将雅、ソダシにプレッシャー掛けに行ったな」という指摘通り、ソダシと併走する形で1コーナーに飛び込むと、じわじわと前に出ながらソダシの進路を限定するコース取り。大本命馬に楽をさせない川田騎手の厳しい騎乗が光った。
「これには藤田さんも『(川田騎手が)スッと前に出ないのは、プレッシャーを掛けに行ってる』と指摘。案の定、ここからソダシに明らかに力みが加わり、吉田隼騎手にとっては大きな誤算だったと思います。仲の良い藤田さんも『将雅、そんなイジメんな……』『ソダシはせっかく折り合いがついてたのに、川田にギリギリで擦られて、ちょっとハミを噛んでるね……』と心配していましたが、結果はまさに悪い予感が的中した形でした」(競馬記者)
これにはレース後、ソダシを管理する須貝尚介調教師も「序盤で併せ馬の形になって引っ掛かった。その分の力みが最後(の失速)に出てしまった」と無念の様子。
昨年のオークスで大本命だったデアリングタクトも序盤の2コーナーで度重なる不利を受け、三冠の中で最も厳しいレースを強いられた。また、「勝負の鬼」と化した川田騎手も単勝1.4倍のクリソベリルで挑んだ昨年のチャンピオンズC(G1)の1コーナーで似たような不利を受けている。
先週のヴィクトリアマイル(G1)は単勝1.3倍のグランアレグリアが圧勝したが、G1で大本命馬が力通りに勝つことが如何に難しいのか……改めて思い知らされた一戦だった。(文=大村克之)
<著者プロフィール>
稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。