JRA オークス(G1)武豊「逃げ恥」に疑問の声続々……大本命ソダシも巻き込まれた乱ペースに「全然伸びなかった」逃走クールキャット14着大敗
好スタートからハナを切るという意外な展開で幕を開けたレース。武豊騎手が「ペース的にはスローでいいペースだった」と振り返る前半は、1000m通過が59.9秒。すべて良馬場で行われた過去5年のオークスの平均が60秒だったことを踏まえると、残念ながらスローとは言えない流れだった。
「表面上の時計的には例年と大差ないミドルペースでしたが、今年は前日に雨が降った影響もあって、同じ良馬場でも例年よりやや時計の掛かる馬場。同日に同舞台で行われた未勝利戦の1000m通過が63秒だったことを考慮すれば、決して前が楽なペースではなかったようにも思えます。逃げたクールキャットにとっては、やや厳しい展開になりましたね」(競馬記者)
さらに武豊騎手とクールキャットにとって不幸だったのは、単勝1.9倍のソダシが好位グループにいたことだ。
大本命の抜け出しを警戒したライバルたちが早めのスパート。武豊騎手が「4コーナーで『後ろを待たずに離して』と思ったけど、全然伸びなかった」と悔しがったように、先行集団にとっては万事休すといった流れだった。
結果的にハナを切ったクールキャットが14着に沈んだだけでなく、好位から馬群に沈んだソダシ、2番手追走から13着に大敗した5番人気ステラリアを始め、先行勢は軒並み壊滅……。
一方で、後方で脚を溜めていた16番人気のハギノピリナが3着、10番人気のタガノパッションが4着するなど、明らかに後方有利な結果を招いてしまった。
これにはクールキャットを応援していたネット上のファンも「何故、逃げた?」「逃げたことが敗因」と武豊騎手の騎乗に疑問を持った様子。本馬は途中からハナを切った1月のフェアリーS(G3)でも10着に大敗しており、ファンにとっては消化不良のレースとなってしまったようだ。
「調教の動きが今日は出なかった。残念……」
レース後、そう敗戦を振り返った武豊騎手はオークス3勝を誇りながらも、1996年のエアグルーヴを最後に19連敗中だ。それもその間、ファレノプシス、トゥザヴィクトリー、アドマイヤグルーヴ、ダンスインザムード、アドマイヤキッスといった1番人気馬に騎乗しながら敗れ続けている。
今週は星野源と新垣結衣の“逃げ恥婚”が大きな話題を呼んだが、競馬界のレジェンドジョッキーにとっては、まさに“逃げ恥”をかく結果となってしまった。(文=銀シャリ松岡)
<著者プロフィール>
天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。