エイシンヒカリ引退。武豊騎手とのコンビで逃げに逃げた破天荒競走生活
世界ランクでも上位に名を連ねていたエイシンヒカリが、12日付けで競走馬登録を抹消された。今後は、北海道レックススタッドで種牡馬となる予定だ。
エイシンヒカリは、主に中距離レースで活躍。国内重賞では15年のエプソムC、毎日王冠(G2)を制覇したのみだったものの海外G1の香港C、イスパーン賞で2勝し、国際的な知名度を獲得していた。
エイシンヒカリの父馬はディープインパクト、母馬・キャタリナで母馬の父はストームキャットだ。この父馬と母父馬の組み合わせは、12年のダービー馬であるキズナや13年の桜花賞を制したアユサン、14年のエリザベス女王杯で勝利したラキシス、さらに昨年ドバイターフで栄冠を勝ち取ったリアルスティールらと同じ。まさに良血と呼ばれる絶好の組み合わせだろう。
実績のある血統で誕生したエイシンヒカリだったが、幼少期は調教師の坂口正則氏いわく「小さい馬で全体的に体が弱かった」という。そのため、デビューは4月と同期からは一歩遅れてしまう。だがそれでも前評判は高く、デビュー5戦はすべて1番人気。そしてそれに応えるかのごとく無傷の5連勝を飾った。
だが5連勝目を飾ったアイルランドTあたりから、同馬の弱点が指摘され始める。それはもたれグセだ。同レースでは逃げの一手をうち、そのままトップを譲らずゴール。だが直線に入り400mを切った辺りから徐々に外へとよれ始め、200mでは外ラチ、ファンの目の前を走るという大斜行を見せた。レース後は”調教注意”を受けてしまう。
ユニークな勝ち方をしたエイシンヒカリはその後も快進撃を続けるかと思いきや、次のレースでは1人気に押されるも9着と惨敗。決してもたれたわけではなく、出走した馬たちから自分のレースをさせてもらえず「潰された形」となってしまった。