今、武幸四郎が凄い……呪縛から解き放たれた「天才になれなかった弟」。騎手引退カウントダウンに舞い降りた「兄・武豊」を超える奇跡の騎乗
ラストイヤーとなる2017年のこれまでの騎乗は、難関の調教師試験に合格し、兄の背を追い続けた騎手としても終わりが見える中、何かそういった様々な”重荷”から解放された「騎手・武幸四郎」の本来の姿のようにも見える。
もしかしたら、武幸四郎騎手は今が一番馬に乗っていて「楽しい」と感じているのかもしれない。
無論、勝利5割などという奇跡的な状況が、いつまでも続くほど競馬は甘くない。だが、それでもこの最後の最後まで苦しみ抜いた「天才になれなかった弟」の騎乗を、20年間の集大成を最後まで見守りたいと思う。
その機会は、本当にもう限られてきているのだから。