「日米最強女王」と「岩手の女王」の頂上決戦・皐月賞(G1)……逆襲の異端児ロードクエストの反撃
「前走よりも確実に良くなってる」
追い切りを終えたロードクエストを称え、美浦のウッドコースから上がってくるなりに力強くコメントした池添謙一騎手の目は勝ちたい気持ちでギラギラしていた。先週の桜花賞で一番悔しい思いをしたのは、間違いなくこの男だ。
豪快なストライドで、併せ馬2頭を3馬身置き去りにする動きを見届けた小島茂之調教師も「やれることはやった」と納得の表情だ。クィーンスプマンテのエリザベス女王杯(G1)が11番人気、ブラックエンブレムの秋華賞(G1)も11番人気と大舞台で”大穴”を開けるノウハウを持った男にとって、この展開は望むところだろう。
リオンディーズが日本とアメリカのオークスを制した女王の仔ならば、ロードクエストには岩手のオークスを制した女王の魂がある。
数多の良血馬が今の競馬を支配していることは紛れもない事実だが、必ずしも良血馬ばかりが勝つ訳でもないのが競馬の面白いところだ。レースはまだ始まってもいないし、蓋を開けてみなければわからない。
様似町の小さな牧場から生まれた「岩手の女王」の仔ロードクエストの反撃に期待したい。
(文=浅井宗次郎)