世界最高賞金レース・ペガサスワールドC(G1)は本当に開催できるのか? 画期的な新システムの「盲点」 世界最強馬2頭の”賞金独占”でライバルは戦々恐々か
こうなってはペガサスWCが開催されるまでに、カリフォルニアクロームを倒し得る「新星」の出現を祈る他ない。そんな願いが通じたのか、昨年8月のトラヴァーズS(G1)で13馬身半という歴史的大差をつけた”超大物”が出現した。
それこそが昨年11月のダート世界最強馬決定戦・ブリーダーズカップクラシック(G1)で見事カリフォルニアクロームを倒し、世界No.1の座についたアロゲートである。
無論、このアロゲートにペガサスWC出走の話が持ち込まれたことは想像に難しくないだろう。アロゲート陣営も当時はこの世界最大のビッグレース参加に前向きな姿勢を見せ、世界中の競馬ファンがカリフォルニアクロームとのリベンジマッチに沸いた。
だが、ここに来て暗雲が立ち込めている。
ペガサスWCを引退レースとし、リベンジを果たしたいカリフォルニアクロームはすでに昨年12月のレースを楽勝。順調なステップを踏んでいる一方、新王者アロゲートが1月初旬に予定していたステップレースを回避したのだ。
幸いなことに怪我などではなく、馬場悪化による出走取消だったようだが、どうやらその後も馬場コンディションが原因で順調な追い切りを消化できていないようだ。海外競馬に精通した競馬評論家の合田直弘氏によれば、陣営から「回避もやむなし」という声が聞かれた時期もあったらしい。
いずれにせよ、もしもアロゲートが出走しないとなるとペガサスWCでカリフォルニアクロームを倒すのは、もはや至難の業といえる。