世界最高賞金レース・ペガサスワールドC(G1)は本当に開催できるのか? 画期的な新システムの「盲点」 世界最強馬2頭の”賞金独占”でライバルは戦々恐々か
カリフォルニアクロームがアロゲート以外に負けたのは、2015年のドバイワールドカップ(2着)まで遡る。負かしたプリンスビショップはすでに引退しており、アロゲートに半馬身差の2着に敗れたBCクラシックでさえ、3着以下には10馬身以上の差をつけているのだ。
昨年12月の前哨戦も流すような競馬で12馬身差をつけてレコード勝ちしており、まさに他のライバルからすれば「絶望的」といえる状況だろう。
そのような状況だけに、第1回のペガサスWCを巡る状況は混沌としたものになっている。
日本で開催事情に屈指の情報網を持つ公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナルをもってしても、昨年12月20日の時点で「どの馬が出走するのか見当がつかない」と語り、先述した超大物2頭によるマッチレースになる可能性もあるとしている。
出走権12枠がすでに完売し総賞金が確保されている以上、ペガサスWCそのものが中止になる可能性は、ほぼないといえるだろう。
考えられるケースとしてはアロゲートが回避し、カリフォルニアクロームの「1強」状態になった場合だが、1着は無理でも2着さえ確保できれば参加費1億円を差し引いてもプラスになるだけに、”不戦敗”だけはしたくない出走馬はかえって集まるはずだ。
逆に、混迷を極めるのがカリフォルニアクロームとアロゲートの「2強」状態になった場合だ。実はペガサスWCの3着賞金は100万ドル、つまりは参加費がそのまま返ってくるだけである。