JRA攻略のカギは前走距離!? 中京記念(G3)ミスニューヨーク前走大敗も“条件好転”で巻き返しに期待【八木遊のフォーメーション馬券予想】
18日、中京記念(G3)が小倉競馬場で行われる。小倉には1600mのコース設定がないため、今年はレース史上初めて芝1800mが舞台となる。
サマーマイルシリーズ第2戦を銘打っているが、この1ハロンの延長がどのような結果を生むのだろうか。そこで注目したのは、前走からの距離変動だ。2016年以降に小倉芝1800mで行われた準オープンクラス以上は17レース。この17レースの成績を前走距離別で比べてみた。
【小倉芝1800m距離変動別成績、2016年以降の準OP級以上(対象17レース)】
今回延長 1-1-4-35/41(2.4%/ 4.9%/14.6%/ 13%/ 25%)
同距離 6-10-1-49/66(9.1%/24.2%/25.8%/ 64%/ 85%)
今回短縮 10-6-12-84/112(8.9%/14.3%/25.0%/183%/117%)
※()内は左から勝率、連対率、複勝率、単勝回収率、複勝回収率。なお、17日の不知火Sは含めない。
出走頭数を見ると、前走1800mを超える距離を使われていたいわゆる「短縮組」が112頭と最も多い。それに次いで、前走でも1800mを走っていた「同距離組」が66頭。そして前走1800m未満だった「延長組」が41頭で続く。
この中で最も成績が良かったのは同距離組。特に連対率は延長組の5倍近く、短縮組の2倍近く上回っていた。今回も、前走1800mを使われていた馬が最も信頼できそうだ。
一方、短縮組の特徴は回収率が単複ともに100%を超えていること。穴狙いならこの組だろう。逆に延長組は成績・回収率ともにさっぱり。今回はこのデータを信じて、ディアンドル、ロータスランドなど延長組5頭は全て消しという判断を下したい。
残った7頭の中から、1番ミスニューヨーク(牝4歳、栗東・杉山晴紀厩舎)を「◎」に抜擢する。
マーメイドS(G3)から1ハロンの距離短縮で、前日最終8番人気。前走15着に大敗したことでやや評価を落としている。
その前走は陣営いわく「外枠で壁をつくれず」と、距離ロスも大きかった。今回は絶好の最内1番枠をゲット。これまで1番枠の時は2戦2勝。これまでもインで脚を溜める競馬で結果を出している。
小倉コースも相性が良く、2戦1勝、2着1回。何より1800mは全4勝を挙げるなど、「4-1-1-1」とベストの距離である(1800m以外は「0-0-1-5」)。前走から1kg減となる斤量も魅力だ。直線で前が開けば、一気に突き抜けるシーンがあってもおかしくないだろう。
「○」は前日最終4番人気の9番ボッケリーニ(牡5歳、栗東・池江泰寿厩舎)。
この馬も距離短縮組で、1800mは「3-4-0-0」と7戦全て連対を果たしている得意の距離。全兄のラブリーデイは5歳夏に宝塚記念(G1)を制した晩成型だった。弟もこのタイミングで本格化を果たせるか。
気になるのはトップハンデの57kgだろう。しかし、2走前の小倉大賞典(G3)を同斤量で、テリトーリアルとハナ差の2着に好走。ハンデ戦でなければ、1番人気でもおかしくない実力の持ち主である。
前走の新潟大賞典(G3)は5着に敗れたが、勝ったサンレイポケットとは0秒3差。陣営は「前走時よりいい状態」と話しており、大崩れは考え難い。
鞍上は土曜メインの不知火S(3勝クラス)で1番人気ダブルシャープを勝利に導いた地元出身の浜中俊騎手。地元では5年ぶり(2016年9月小倉2歳Sレーヌミノル)の重賞勝利を狙う。