JRA田中勝春「5年半ぶり」2週連続で騎乗なし。横山典弘と共に調教師試験へ本格挑戦スタート?
そんな田中勝騎手が2週連続で土日騎乗なしとは、一部の競馬メディアで報じられた「調教師試験へのチャレンジ」が本格的にスタートしたのではないだろうか。すでに同じ関東の大ベテラン横山典弘騎手と共に調教師試験に必要な資料を持って帰ったと報じられている。
過去の例を見れば明らかだが、どんなジョッキーでも調教師転身を考え始めた途端に、その騎乗回数はグッと減る傾向がある。
その理由はもちろん、騎乗以外にやるべきことが増えて、忙しくなるからにほかならない。
調教師試験への勉強をはじめ、馬主や生産者への挨拶回りや、厩舎を構えたときのスタッフ探し。そのほかの営業活動など、日々の調教をつけることさえ思い通りにいかないという。調教に乗らなくなれば、自然と騎乗依頼も減るだろう。
田中勝騎手の騎乗回数は、前述した長期離脱を乗り越えた1992年以降、毎年のように最低でも年間550回以上を記録。ピーク時の2005年には、その騎乗回数は901回を数えた。
しかし数年前から、自身の年間騎乗回数は確実に減っている。2016年は488回、2017年は492回、2018年は484回、2019年は345回と緩やかに下降。2020年はついに300回を割る284回となり、今年は自身最低ペースとなる、ここまで140回の騎乗に留まっている。
2007年に開設された田中勝騎手の公式ブログは、毎週金曜日に更新されることで有名だ。過去に一度、騎乗停止を受けた2016年1月だけは、2週続けて更新されなかった。しかしそれ以外は、開設以来14年に渡って毎週更新されている。
ところがそんなブログも、先々週の金曜日の2021年7月9日を最後に、2週間も更新されていない。
果たして、田中勝騎手のジョッキー人生はどの方向に進むのだろうか。本格的に調教師試験へのチャレンジを進めるにしても、またターフであの「カッチー・スマイル」を見せてほしいと願う競馬ファンは多いはずだ。
(文=鈴木TKO)
<著者プロフィール> 野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。