トウカイテイオー最後の産駒と対戦予定だった「ハルウララ」より勝てない馬 不名誉な“日本記録”を更新し続けても走り続ける事情とは?
5日の門別競馬場で行われた1Rは、トウカイテイオー最後の産駒キセキノテイオー(牡7歳、門別・岡島玉一厩舎)が出走を予定していることから大きな注目を集めていたが、残念ながら跛行により出走取消となってしまった。
その一方、“主役”がいなくなったレースで4着に好走したのが、10歳馬ダンスセイバー(牝10、門別・谷口常信厩舎)だ。
ちなみにダンスセイバーが4着以上に好走したのは、昨年6月以来、約1年2カ月ぶりだ。これだけを見れば、そう珍しくもない話だが、それが「34戦ぶり」と言われれば、少し話が違ってくる。
実は、特殊な事情で7歳デビューとなったキセキノテイオーがキャリア1戦なら、こちらダンスセイバーは、これまでキャリア218戦を誇る“記録保持者”である。
ダンスセイバーのキャリアは、13年5月22日門別3Rまで遡る。同年に門別で17戦走るが、最高順位は4着と実を結ばなかった。その後、門別の開催休止にあわせ岩手競馬へ移籍。移籍後は、水沢競馬場で2着と3着をとる活躍をみせた。14年6月に再び門別競馬場へ戻ると、以後現在まで所属を門別一筋としている。
これまで、2着や3着は数回あるが、勝ち星まで遠い状況が続いている。また、馬券圏内(3着以内)で言うと、18年5月23日以来遠ざかっている。
白星に恵まれない状況が続いた結果、昨年8月18門別8Rに連敗が193となり、日本競馬の連敗記録を更新した。以降も25戦走って全て未勝利であるため、記録を更新し続けている模様だ。
「負け組の星」として人々から愛された高知競馬のハルウララは、113戦未勝利だった。ダンスセイバーはハルウララより100回以上レースへ出走しながら、未だに勝ち星がない。「ハルウララより勝てない馬」と言うことができるだろう。
そして、ダンスセイバーに対して一部ファンから様々な声が上がっている。それは、「早く引退させてほしい」「少し休ませてあげてほしい」というものだ。
ダンスセイバーは今年だけで既に16戦走っている。また、現在11連闘中と最近は毎週レースへ出走している。中央競馬では、まずあり得ないローテーションだが、実はこれには地方競馬ならではの理由がある。