騎手日本一決定戦「佐々木竹見カップ」 地方競馬の雄が、JRA最強2騎手を迎え撃つ
31日に開催される地方競馬最大の騎手交流戦「第15回佐々木竹見カップ・ジョッキーズグランプリ」の参加騎手が決定した。
このレースは世界歴代6位(当時)となる通算成績7153勝をあげ、01年に引退した佐々木竹見騎手の偉業を記念して新設されたレースだ。中央・地方のリーディングジョッキーが選出され、当日2競走の合計ポイントを競い合う。
JRAからは前年度の中央・地方・海外のレースの合計勝利数が最も多い、関東・関西の騎手が選出される。今年は戸崎圭太騎手(美浦)とC.ルメール騎手(栗東)が選ばれた。戸崎騎手は前年に引き続き、2年連続での選出となった。
このふたりに加えて地方からは、山崎誠士騎手(川崎)、丸野勝虎騎手(愛知)、繁田健一騎手(浦和)、下原理騎手(兵庫)、森泰斗騎手(船橋)、永森大智騎手(高知)、中野省吾騎手(船橋)、赤岡修次騎手(高知)、矢野貴之騎手(大井)、山口勲騎手騎手(佐賀)、山本聡哉騎手(岩手)、佐藤友則騎手(笠松)ら、12名が選出されている。
JRAの騎手、それもリーディングジョッキーが地方競馬に参戦することは大きな盛り上がりを生む。運営側としては大きなメリットがあるのは言わずもがなだ。
また普段の交流戦ならば、良血馬が揃うJRA所属の馬にJRAの騎手が乗り、地方勢を叩きのめすケースがほとんどだ。しかし、このレースでは各騎手の騎乗馬は抽選によって決定される。そのため、地方騎手が勝利を収めることも多い。事実、14回まではJRA移籍前の戸崎騎手も含めば、実に11度も地方所属騎手が優勝している。
近年、ネット投票の普及などで地方競馬にも注目が集まり、一時の財政難などウソのような好調な売れ行きをあげている。だが、地方とJRAには設備や賞金額など明確すぎる差が存在しているのは確かだ。なにかと不遇を被っているようにも思えてしまう地方所属騎手にとって、このレースは『名実ともに日本一のジョッキーを決定するドリームレース』とも銘打たれていることもあり、勝利することでJRA所属騎手の鼻をあかすことができる千載一遇の好機と考えてもいいのかもしれない。
昨年は、M.デムーロ騎手が見事に優勝した。だが、今年こそは地方所属騎手たちにその意地を見せてもらいたいものだ。