JRA【小倉記念(G3)展望】川田将雅「未完の大器」ヴェロックスではなく、「充実一途」ファルコニア! 昨年137万馬券の立役者アールスターに激走気配
15日、小倉競馬場では小倉記念(G3)が開催される。14頭立ての昨年は、10-6-13番人気で決着。三連単は137万円超の波乱となった。今年も伏兵が台頭するのか、それとも平穏に収まるのか、早速展望していこう。
今年の小倉記念を占う上で一つのカギを握るのが、川田将雅騎手の“選択”だ。ファルコニア(牡4歳、栗東・高野友和厩舎)とヴェロックス(牡5歳、栗東・中内田充正厩舎)という2頭の“お手馬”が出走するが、川田騎手はファルコニアへの騎乗を予定している。
デビュー当時から将来性を高く評価されていたファルコニア。牡馬クラシック三冠には出走を果たせず、本格化したのは4歳となった今年の春。2勝クラスと3勝クラスを連勝し、一気にオープン入りを遂げた。
連勝の勢いそのままに臨んだのは6月のエプソムC(G3)。アルジャンナに次ぐ2番人気に支持されたが、スタートで遅れ、結果は3着。1~2着馬が伸びる外目を通ったのに対し、ファルコニアは内目を突いた分だけ伸びを欠いた。
「今日は古馬になって初めての重賞でここまで頑張りました。良い経験になったと思います。次に向けて精神面で我慢できるようになると良いと思います」
川田騎手は、苦しい競馬を強いられながら3着に粘り込んだことをポジティブに捉えていた。同時に挙げたのが精神面の課題。前走からの2か月間で、その課題は解消されたのかどうか試される一戦になるだろう。
その川田騎手が2走前まで主戦を務めていたのがヴェロックス。前走のエプソムCに続き浜中俊騎手とのコンビで出走を予定している。
古馬になってからいいところなく、エプソムCでは8番人気まで評価を落としていたヴェロックス。中団待機から直線じりじりと伸びて、ファルコニアからクビ差遅れての4着に敗れた。ただし、1kg重い斤量を背負っていたことを加味すれば、ファルコニアとの実力は互角以上といってもいいだろう。
久々に手綱を取った浜中騎手は「調教の感じは良かったのですが、レースに行くとなかなか進んでくれません。ダラダラ伸びての4着という感じで、力を出し切れていない感じでした」とレース後にコメント。前走の経験を糧に今回はヴェロックスの力を引き出すことができるだろうか。
もともと皐月賞2着、日本ダービー3着、菊花賞3着と牡馬クラシックで好走を続けた実績馬。重賞勝利がないまま5歳夏を迎えてしまった。未完の大器のまま終わるのか、11度目の重賞挑戦で悲願の勝利を飾るのか。今回はメンバー構成も手頃で、ここを勝てなければ、もうチャンスは巡ってこないかもしれない。再び川田騎手を振り向かせる走りを見せることはできるか。