JRA浜中俊「皮肉な結果」に踏んだり蹴ったり!? ファルコニアに真っ向勝負挑むも返り討ち、漁夫の利を得たのは最も勝たれたくない相手
文=高城陽
レース後、川田騎手は「2000mの距離」、浜中騎手は「わかりません」とコメントを残した。最後方から差し切ったモズナガレボシの松山騎手が、勝因について「向正面でペースも上がった」と振り返ったことも無関係ではないだろう。
「実際の2人の騎手心理はわかりませんが、スタートからずっと2頭が相手を意識しているかのような展開だったように感じるレース展開でした。川田騎手も元お手馬であるヴェロックスにだけは負けたくなかったでしょうし、浜中騎手も真っ向勝負。
結果的に2頭が競り合ったことで、後ろの馬に有利な展開となったため、見ている側としてはなんだかスッキリしない結果に終わった印象も残りました。勝ち馬は“漁夫の利”もありましたね」（競馬記者）
ただ、このレースで最も損な役回りをしてしまったのは、ヴェロックスの浜中騎手かもしれない。ファルコニアに返り討ちにあっただけでなく、勝ち馬のモズナガレボシは前走で自身が騎乗していた馬。そういう意味ではファルコニア以上に負けたくない相手だったといえる。
皮肉にも乗り替わった松山騎手に勝たれたのでは、“踏んだり蹴ったり”というほかなさそうだ。
（文=高城陽）
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま！」と叫びたい。