JRA【小倉2歳S(G3)展望】福永祐一スリーパーダVS松山弘平ショウナンマッハの一騎打ち! 牝系の差が重賞舞台で明暗分ける!?

 9月5日、夏の小倉競馬は最終日を迎え、小倉2歳S(G3)が行われる。さっそくレースを展望していこう。

 7月の新馬戦(芝1200m)で勝ち上がったスリーパーダ(牝2歳、栗東・斉藤崇史厩舎)が最有力視される1頭だ。良馬場発表も小雨が降り、時計がやや掛かる馬場で行われた一戦。好位2~3番手を進んだスリーパーダは直線外に持ち出されると、力強く伸びて2着キルステンに1馬身半差をつけて快勝した。

 鞍上を務めた福永祐一騎手は「相手が強くなった方が競馬はしやすいと思います」と話しており、相手強化のここでも期待大。福永騎手が継続して騎乗するのも心強い。

 血統的にも魅力たっぷりだ。父は昨年の覇者メイケイエールを輩出したミッキーアイル。父自身はどちらかというとマイラー寄りの短距離馬だったが、産駒は芝ダート問わず1200m戦での活躍が最も目立つ。

 母系も優秀だ。母シンハリーズは05年のアメリカンオークス(G1)で3着したが、このレースを勝ったのがあのシーザリオ。現役引退後に日本に輸入され、16年のオークス馬シンハライトなどを出している。

 他にもアダムスピーク(11年ラジオNIKKEI杯)とリラヴァティ(16年マーメイドS)が重賞勝利を収めており、大舞台に強い牝系といえるだろう。スリーパーダは、デビュー2戦目できょうだい4頭目となる重賞制覇を果たすことはできるか。

 スリーパーダと同じくデビュー戦で小倉1200mを勝ち上がったショウナンマッハ(牡2歳、栗東・茶木太樹厩舎)。こちらも松山弘平騎手が初戦に続き騎乗する。

 7月4日に行われた初戦は単勝1.7倍の圧倒的1番人気に支持された。スピードの違いでハナを切ると、前半3ハロン33秒7と軽快な逃げを披露。直線を向いても余力たっぷりで、後続に3馬身差をつけて逃げ切った。

 そのスピードは父ショウナンカンプ譲り。02年の高松宮記念(G1)を逃げ切った名スプリンターは、その父がサクラバクシンオーという生粋のスプリンターだった。代表産駒のラブカンプーなど小回りコースで逃げたときの強さは折り紙付きだ。

 興味深いのは、その母系。3代母にはG1・2勝の女傑ヒシアマゾンの名前がある。ヒシアマゾンの仔や孫などいわゆる“ヒシアマゾン一族”はJRAで通算34勝しているが、重賞レースになると、「0-0-0-19」とさっぱり。勝負弱さが目立つ一族に初の重賞勝利をもたらすことはできるか。

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