JRA 「68.4馬身」激走がアダに?ダイワメジャー最後の「大物牝馬」候補に襲いかかる、札幌2歳S(G3)で鉄板級の「消し」データ

 4日、札幌競馬場では芝1800mの2歳重賞、札幌2歳S(G3)が行われる。

 昨年の勝ち馬ソダシは阪神JF(G1)と桜花賞(G1)を制覇。2着だったユーバーレーベンはオークス馬へと輝いた。過去にはダービー馬ジャングルポケットやロジユニヴァース、G1・6勝馬ゴールドシップ、ドバイデューティフリー(G1)勝ち馬アドマイヤムーンなど、多くのG1馬を輩出している。

 このG1馬への登竜門的なレースで今年、人気を集めることが予想されているのが、ダイワメジャー産駒のトップキャスト(牝2歳、栗東・高橋康之厩舎)だ。

 7月函館の新馬戦では、ウィクトーリアが持つ函館競馬場・芝1800mの2歳レコードと0秒2差、1分48秒5の好タイムで圧巻の逃げ切り勝ち。勝ったトップキャストのタイムから最下位のビップソリオまでは11秒4もの大差がついた。着差に換算すると、およそ68.4馬身ほどということでも話題となった。

 このときトップキャストから3馬身半差の2着だったシンティレーションが、先月28日に行われた札幌芝1800mの未勝利戦に出走。逃げて直線で後続を突き放す強い競馬で初勝利を収めている。完勝した相手の圧勝はトップキャストの実力を証明する裏付けとなったかもしれない。

 新馬→重賞の連勝を目指し、最終追い切りには実戦でもコンビを組む団野大成騎手が騎乗。「動きも良かったし、成長している」と話しており、好感触を得ている様子だ。先週は団野騎手と同期の亀田温心騎手が、レイハリアでキーンランドC(G3)を勝利。2週続けての若武者の奮闘にも期待したいところだ。

 だが一方で、トップキャストと団野騎手には、やや気になるデータも存在している。

 過去20年間、函館及び札幌競馬場の芝1800mの新馬戦で1分50秒を切るタイムで勝利を収めた馬はトップキャストの他に7頭いるが、全ての馬が2戦目で敗戦を喫しているのである。

 顔触れはダーリントンホール、ウィクトーリア、アフランシール、クリノクーニング、タガノアシュラ、オーソリティバイオ、マンハッタンバーの7頭である。

 このうちタガノアシュラが1番人気、ダーリントンホールとウィクトーリア、クリノクーニングが2番人気で札幌2歳Sに出走しているものの、ダーリントンホールの3着が最高で、あとは着外に敗れている。人気になることが予想されるトップキャストにとっては、何とも嫌なデータだろう。

「函館、札幌はともに力のいる洋芝での開催です。2歳の早い時期から洋芝の、それも中距離のレースで激走してしまうと、反動が相当に大きいのかもしれませんね。あるいは超早熟であったという可能性も考えられます。いずれにしても、データ的には危険な人気馬といえるかもしれません」(競馬誌ライター)

 果たしてトップキャストも過去の消しパターンに当てはまってしまうのだろうか、気になるところである。

 ダイワメジャー産駒は先週、新潟2歳S(G3)でセリフォスが見事に勝利。今年で20歳を迎えた父の、最後の大物牝馬候補として、ジンクスをも打ち破るような走りに期待したいところだ。

(文=冨樫某)

<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

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