JRA デビュー半年で2回の「油断騎乗」疑惑で流石に反省!? 乗り替わりも経験したルーキーの改心、“ラストチャンス”の馬に “僕の技術”風車鞭が炸裂!
「僕の技術でカバーしてあげられず…すみません」
懸命に追って敗れた18歳のルーキーはそう呟いた。
5日、小倉競馬場で行われた4Rの3歳未勝利戦(芝2000m)。2018年生まれの3歳未勝利馬にとってJRAでの生き残りをかけたラストバトルに、フルゲートの18頭が出走した。
1番人気の単勝オッズ5.6倍が示す通り、混戦を極めたレース。松本大輝騎手は、4番人気に支持されたトーホウロゼリア(牝3歳、栗東・谷潔厩舎)とのコンビで挑んだが、惜しくも勝ち馬からクビ差の2着に敗れた。
松本騎手といえば、先月22日の小倉7R・3歳上1勝クラスにおいて「油断騎乗」疑惑を行ったことが記憶に新しい。
この競走でリノ(牝4歳、栗東・寺島良厩舎)に騎乗した際、決勝線手前で腰を上げて流したように見える動作を行い、3着にアタマ差の4着に終わった。
このとき、JRAから決勝線手前での騎乗について、追う動作が十分ではなく騎手としての注意義務を怠ったとして、過怠金10万円の制裁を受けている。
また、5月29日の中京5Rでも同様に「油断騎乗」と疑われる行為をしたとして、JRAから同様の理由で2日間の騎乗停止処分を受けたばかり。短期間での“再犯”疑惑には、さすがに厳しい声が出ても仕方のないことだった。
「油断騎乗」はJRAが公正競馬を保つために、特に厳しく制限しているルールの1つである。競馬はギャンブルという性質を持っているため、着順が入れ替わることは、馬券購入者の馬券結果に直結する。それだけに、騎手の怠慢で着順が替わることは、あってはならないことだ。
当然ながら関係者もこの事実を快く思っていないようだ。リノが4日小倉7Rへ出走した際は、小倉に松本騎手がいたにもかかわらず、藤岡康太騎手へ乗り替わりになっていた。
松本騎手としても大いに反省したことは間違いないだろう。少なくとも、小倉4Rではゴールまで懸命に追う姿が確認できた。
8枠17番からスタートしたトーホウロゼリアだが、ゲートから出た際の1完歩目が遅く最後方からの追走を余儀なくされた。普通ならこの時点で諦めてしまいそうなものだが、松本は決して諦めなかった。
向こう正面半ばから徐々に進出を開始すると、4コーナーで大外から先頭を射程圏内に入れる位置まで進出し、直線を迎える。