京都記念(G2)に期待の新星ミッキーロケット登場! サトノダイヤモンドに肉薄した実力で狙うは「打倒マカヒキ」
先週行われたきさらぎ賞をアメリカズカップで、東京新聞杯をブラックスピネルでそれぞれ制し、東西メイン重賞を揃って手にした音無秀孝調教師。今年度だけですでに重賞3勝を挙げる名伯楽が今週の京都記念へ送り込むのは、最強世代の呼び声高い4歳勢の有力馬・ミッキーロケット(牡4 栗東・音無秀孝厩舎)だ。
昨年春は皐月賞惨敗など目立った成果を挙げられず、約3ヶ月の休養を挟んで菊花賞戦線の裏街道ともいえる夏の北海道遠征を敢行。古馬を相手に実戦を重ね、秋の飛躍に向けて経験を蓄積した。
その成果が現れたのは、昨年の神戸新聞杯。のちに菊花賞→有馬記念を優勝するサトノダイヤモンドを相手に壮絶な叩き合いを演じ、タイム差なしの2着に好走。続く菊花賞は夏の疲れもあって勝ち負けとはいかなかったものの、それでも掲示板は確保し、あらためて世代上位の力を見せつけた。
そして今年度、久々の古馬混合戦となった前走・日経新春杯では、同世代のシャケトラ、カフジプリンス、レッドエルディストなど骨っぽいメンバーが集まるなか、秋の実績を買われて堂々の1番人気。とはいうものの、単勝オッズは最終的に2.9倍と、決して圧倒的な支持を得ていたわけではなかった。
レースは序盤、普段よりも積極的に前めのポジションを取りに行き、好位の3~4番手に構えた。逃げ馬ヤマカツライデンを前に見つつ、後ろの人気馬の動きにも対処できる絶好の位置取りだった。
3コーナーを回り、徐々に前後の距離がなくなり、ミッキーロケットは抜群の手応えのまま馬なりで前を交わす。直線を向いたところで早くも先頭に立ったが、残り400mを切ったあたりでも、鞍上の和田騎手は依然として手綱を動かさない。早めにスパートをかければ後続と距離を取ることができるが、その分ゴール前で末脚が甘くなってしまう不安もある。ギリギリまで仕掛けを我慢し、差し・追い込み勢の追撃に備える形を取った。
直線の攻防の場面に入ると、外からジリジリとシャケトラが迫ってくる。ここで和田騎手は満を持してムチを入れ、遅まきながらスパート。一旦は交わされそうになったものの、スパートを遅らせた分最後の踏ん張りが利いたのだろう。もう一度内から伸び直し、最終的にハナ差だけ前に出たところがゴール板だった。