エアウィンザーが致命的な弱点発覚も「シャドーロールの怪物」へ名乗り!? ディープインパクトを導いた”武豊マジック”で大化けの可能性!
他にも、「シャドーロールの怪物」と呼ばれた三冠馬ナリタブライアンの例は、あまりにも有名だ。
G1を3勝したビワハヤヒデの弟として期待されたナリタブライアンはデビューから苦戦が続いていたが、シャドーロールの装着で一変。いきなり京都3歳S(現・京都2歳S)で従来のレコードを1.1秒も更新する圧勝劇を披露すると、そのまま史上5頭目の三冠馬に登りつめた。
ただし、これらはあくまで顕著な成功例だ。
シャドーロールを装着することによって逆に集中力が増し過ぎてイレ込みの原因となったり、馬が慣れてしまうと効果が不透明になることからも、使用を控える競馬関係者も少なくはない。実際に辻野助手も「まだ器具に頼りたくない」と考えているようで、調教にも工夫を凝らしているようだ。
したがって、陣営も今回のシャドーロール投入を慎重に検討するようだが、一方で前の馬を抜きに行かなかったり、併せ馬をやめてしまうといった「本気で走らない気性の馬」を、レース中の工夫でカバーした例はいくつもある。
例えば、古馬になって阪神大賞典(G2)を勝ち、春の天皇賞(G1)でも3着に好走したナムラクレセントも、若駒の頃は今のエアウィンザーと同じような気性の持ち主だったようだ。そこで陣営は、カンフル剤的な意味合いで「逃げ」の戦術を試みている。「前の馬を抜かさないのなら、最初から一番前にいればどうか」という発想なのだろう。
4歳夏の条件戦で初めて逃げを試みて、レースを快勝したナムラクレセントだったが、結果的にそれが出世の大きな”きっかけ”となったようだ。先述した阪神大賞典の勝利や天皇賞・春の好走は、そんな経験がもたらしたものだった。
また、近代競馬の代表馬となるディープインパクトも、実は気性的に大きな問題を抱えた馬だったようだ。