JRA 3連単425万円の主役は「大穴党」の味方!? 成し遂げたJRA史上6頭目の「快挙」とは
25日、中山競馬場で行われた11R・ながつきS(OP)は3連単425万円の大波乱となった。波乱決着の主役となったのが、優勝した15番人気のロイヤルパールス(牡6歳、栗東・池添兼雄厩舎)だ。
フルゲート16頭立てのダート1200m戦。好スタートを決めたロイヤルパールスは外の4番手を確保した。前半2ハロン目が10秒3、前半3ハロン通過33秒1のオープンクラスらしいハイペースでレースは進み、最後の直線へ。
内にいた3歳馬カレンロマチェンコが早々に脱落するのを尻目に、ロイヤルパールスは粘り込みを図るシンシティ、クーファピーカブーへ徐々に接近する。後続も続々と脚を伸ばしてくるが、ロイヤルパールスも負けじと渋太く伸びる。ゴール直前でクビ差クーファピーカブーを交わしてゴール。この瞬間、単勝158.6倍の単勝万馬券が誕生した。
鞍上の宮崎北斗騎手は「スタートを決めたいと思っていたので、返し馬からそのあたりを教えながらレースに臨みました。実際に好スタートを切ることができましたし、好位で運べました。いいレースができました」と、狙い通りのレースが叶ったことをアピールした。
「まさか来るとは……真っ先に馬券の対象から外してしまいました」と、悔しがるのは9番人気で3着に健闘したシンシティから馬券を買って外した記者だ。
「オープンクラスへ昇級してこれまで6戦している馬ですが、2桁着順が4回とオープンの壁に当たっている印象が強かったです。
最高順位は4着なので、全く通用しないわけではありませんが、その時はハンデ戦で53キロの軽量でした。ながつきSは別定戦ですから『厳しい』と考えるのが大方の見解でしょう」(競馬記者)
そんな大方の予想を上回る大金星をあげたロイヤルパールスだが、今回の勝利により1986年以降JRAで6頭目の快挙を成し遂げた。
「ロイヤルパールスは単勝オッズ100倍以上で勝利したことが、今回で2回目なんです。前回は今年1月の珍しい3勝クラスの平場戦で、内を力強く抜け出し勝っています」(同記者)
この時の単勝オッズは何と299.5倍。100円が3万円になる特大の単勝万馬券だった。今回は100円が1万6000円と払い戻しが半分近くになってしまったが、15年師走S(OP)を制したサンマルデューク以来の「単勝100倍2勝目」を記録した。
「中京の3勝クラスを勝ったときが最低人気、今回がブービーの15番人気でした。もしかしたら、人気が無いときほど燃えるタイプなのかも(笑)。『穴党の味方』として今後も追っていきたい馬です」(同記者)
競馬界には様々な格言があるが、もしかしたら「忘れた頃のロイヤルパールス」といった格言が今後生まれるかもしれない。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……