JRA「国枝栄×C.ルメール」アーモンドアイ、サトノレイナスに続く「牝馬真打ち」がついに登場!? 母はアメリカで牝馬二冠、父母合わせて「G1・10勝」の超良血

 いよいよ来年の牝馬クラシック“真打ち”が登場だ。

 10月3日、スプリンターズS(G1)当日の中山競馬場・芝1800mで行われる2歳新馬戦。C.ルメール騎手とのコンビでデビュー戦を迎えるのが、ディープインパクト産駒の超良血馬ウィズグレイス(牝2歳、美浦・国枝栄厩舎)だ。

 本馬の母は、2015年にアメリカの牝馬二冠を制覇、翌年のラトロワンヌS(米G1)でも見事に優勝を果たした女傑カラライナ。現役を引退後、ファシグティプトン・ノヴェンバーセールに上場され、社台ファームが300万ドルで落札。日本に輸入された後、19年にディープインパクトとの間に誕生したのが本馬ウィズグレイスである。

 7月にゲート試験を合格。夏の新潟開催でデビュー戦を迎えるプランもあったようだが、疲れが見られたため一度放牧へ。

 8月31日に帰厩してからは順調に乗り込まれており、今月23日の1週前追い切りでは、シリウスS(G3)に出走を予定している僚馬ハヤヤッコを煽る動きを披露している。管理する国枝師も「真面目で、いいスピードがある。追ってからの反応もいい」と高評価だ。

 その国枝厩舎は、9月の中山競馬で2頭の2歳牝馬が勝ち上がりを収めた。

 1頭は、エピファネイア産駒のサークルオブライフ。新潟・芝1800mの初戦はイクイノックス3着に敗れたが、2戦目で変わり身を発揮。中山のマイル戦、後方追走からラスト4ハロンを加速ラップで押し切り、2着馬に2馬身半の差をつけて完勝した。

 もう1頭は、ディープインパクト産駒のロムネヤだ。同じくマイル戦でハナを奪うと、直線は2着馬に並ばれながら二枚腰を披露。着差はクビだったが、それ以上に強い内容だった。母のヤンキーローズはオーストラリアのG1を2勝した名牝。セレクトセールで2億1000万円(税抜)で取引された、まさに大物と呼ぶにふさわしい牝馬である。

 2頭ともに、来年の牝馬クラシックを目指せる逸材であることは間違いなさそうである。だが、国枝師はウィズグレイスに、両馬を超える期待を寄せているかもしれない。

「サークルオブライフがM.デムーロ騎手、ロムネヤが戸崎圭太騎手だったのに対し、ウィズグレイスは鞍上にルメール騎手を配してきました。国枝厩舎といえば、アーモンドアイやサトノレイナスなど、その年のエース級と思われる馬にはほぼ間違いなくルメール騎手を起用してきます。

今年、ルメール騎手と国枝厩舎が新馬戦でタッグを組むのは、6月の東京で勝利を上げたコマンドライン以来、2度目です。今年の同厩舎は牡馬のエースがコマンドライン、そして牝馬の“真打ち”がウィズグレイス、といったところではないでしょうか」(競馬誌ライター)

サトノレイナス 撮影:Ruriko.I

 昨年のエースだったサトノレイナスは、牝馬ながら日本ダービー(G1)に挑戦して5着。今秋は秋華賞(G1)出走を目指していたものの、骨折を発症。無念の戦線離脱となった。

 ウィズグレイスにはサトノレイナスのリベンジもぜひ果たして欲しいところである。電撃の6ハロン戦が行われる数時間前、ついにベールを脱ぐ大器の走りに要注目だ。

(文=冨樫某)

<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

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