競馬のバイブルここにあり!鈴木和幸氏が競馬記者歴45年の知識を開放する。鈴木和幸の競馬解説~調教編その2~

■15一15

 1ハロン(=200m)を15秒程度の速さで走らせる調教のこと。軽い調教の代名詞。5ハロンで75秒、6ハロンで90秒となり、これよりも速いタイムで走ったときに時計をとる。逆にこの速さに満たない日は記録されず、今日は時計は出さなかったと解釈される。

■ゲート追い

 レースと同じようにゲートからスタートさせて追い切ること。ゲート入りが悪かったり、スタートの下手な馬が練習をかねて行う。

■障害練習

 調教欄をみると、前走後に障害練習を行っている場合がある。障害レースに出走するためではなく、心肺機能の強化、”トモ(後ろ脚)に力をつける”などの目的で行われることがある。

■右回り・左回り

 中央競馬のレースには右回りと左回りがあるので、トレセンでの調教も両方の回りで行われる。美浦トレセンは南馬場・北馬場ともに水・木・金曜日が右回り、火・土・日曜日が左回り。ただし、左回りの東京競馬の開催期間に限り、北馬場は水・木・金曜日が左回りになる。栗東トレセンは原則として日・火曜日が左回りで、それ以外は右回り。

■ゲート練習

 競走馬はゲート試験に合格しなければレースに出走できない。そのため、入厩する前の育成段階でゲートの扉を閉められても落ち着いていられるように訓練される。ゲートで立ち上がったりした馬は再審査が課されるので、トレセン内でゲート練習を行う。

■調教方法

 調教欄には馬なり、直線強め、末強め、一杯に追うなど追い切ったときの状況が記されている。強めに追えば時計が速くなるので、調教時計を比較するときは追い切りの方法も考慮する必要がある。また、一般的には単走よりも併せ馬のほうが速い時計が出る。

■調教時間

 馬は基本的に早寝早起きの動物。競走馬にかかわる人々も馬の時間に合わせて生活している。そのため、調教時間もかなり朝型となっている。また、季節によっても調教時間は変わる。

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