JRA 「50連敗」藤田菜七子が大ピンチ!? ノーザンファームの良血馬でも勝てず、後輩騎手の足音は大きくなるばかり?
3日、中山競馬場で行われた3Rの2歳新馬戦は、新種牡馬シルバーステート産駒の4番人気トータルリコールが勝利。直線早め先頭から力強く押し切り、ルーキーの永野猛蔵騎手は今年の22勝目をマークした。
一方で、2番人気に支持されたオールイズトゥルー(牝2歳、美浦・高橋祥泰厩舎)に騎乗した藤田菜七子騎手は、勝ち馬から3馬身差の2着に敗れた。
16頭で行われた芝1200mの一戦。大外16番枠からまずまずのスタートを切った菜七子騎手とオールイズトゥルーは、すぐに二の脚がついて道中は3番手の外目を追走した。
前半600m通過が34秒4の流れの中、手応えよく4コーナーを迎えたが、勝ったトータルリコールに外から早めに来られると、直線では一気に差を拡げられてしまう。それでもオールイズトゥルーは菜七子騎手の左ステッキに応えて、ゴール前では逃げるコロンバインを交わしてなんとか連対は確保した。
結果的には勝ったトータルリコールのスピードが一枚上手だったが、藤田菜七子騎手としては結果を残したい一戦だったに違いない。
「実は藤田菜七子騎手は8月15日にフミロアで勝利して以来、勝ち星がありませんでした。絶好のチャンスだった今回、敗れたことでついに50連敗に到達してしまいました。
オールイズトゥルーは近親にインディチャンプやネオリアリズムなどがいる、ノーザンファーム生産の良血馬です。それだけに、なんとか連敗をストップさせておきたかったところでしょう」(競馬誌ライター)
先週は左鎖骨に入ったプレートの除去手術のため、休養を取っていた藤田菜七子騎手。2週間ぶりの実戦となった今週は、土、日で合わせて5鞍に騎乗するも未勝利。2ヶ月近くも勝ち星に見放されるなど苦戦が続いているようだ。
次週9日の阪神競馬では、左肩の手術を受けて休養していた後輩の古川奈穂騎手が復帰を予定している。また、もう1人の女性ジョッキーである永島まなみ騎手は、小倉の新馬戦をホワイトターフで勝利。同コンビでききょうS(OP)に挑戦するなど、着実に経験を積み重ねているようである。
後輩2人の成長も著しいため、女性騎手の先輩として、藤田菜七子騎手もこのまま停滞しているわけにはいかないだろう。
「現在、競馬学校には今村聖奈さんという女性の騎手候補生がおり、順調であれば来年春にJRAでデビューを迎える予定です。ちなみに今村さんは、中山大障害(J・G1)などを勝った障害の名手・今村康成元騎手の娘さんで、9月に行われた模擬レースでも3着に入るなど奮闘しています」(同)
このまま成績が上がらないようであれば、来年以降は女性騎手としての存在感がさらに希薄になりかねない。
藤田菜七子騎手はJRAで過去5年、10月に通算21勝を挙げており、これは8月と並んでトップの数字だ。得意としている今月中になんとか連敗脱出を期待したいところである。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。