JRA「7連単」大的中の珍事!? サウジアラビアRC(G3)コマンドライン完勝の裏で起こった“珍記録”にファンも興奮?

 9日、東京競馬場で開催されたサウジアラビアロイヤルC(G3)は、1番人気のコマンドライン(牡2歳、美浦・国枝栄厩舎)が勝利。主戦のC.ルメール騎手に「(来年の)ダービーも(騎乗の)予約をしておきます」とまで言わしめた逸材が、まずは重賞初制覇を飾った。

「すごくうれしく思います」

 勝利騎手インタビューに応じたルメール騎手の笑顔が絶えなかったのは、やはりこの馬と長い時間を共にする意思の表れか。

「ゲートの中でちゃかちゃかしていたのでスタートで出遅れて後ろになりました」

 7頭立ての芝1600mのレース。主戦騎手の言葉通り、ゲートの中で立ち上がる素振りを見せたコマンドラインは、やや出負け気味のスタート。しかし「2戦目で後ろからの競馬をしたかった」とのことで、ルメール騎手も無理せずに中団からの競馬を選択している。

 最初の600mが37.7秒という超スローペースを見越して、早めの進出を開始したコマンドラインは2番手で最後の直線へ。逃げ粘りを図ったロードリライアブルを残り400mでかわして早くも先頭に立つと「2着馬(ステルナティーア)がすごくいい馬と知っていたので、集中して乗りました」と、最後までしっかりと追って半馬身差を維持してゴールした。

「少頭数ということもあって極端なスローからの瞬発力勝負になりましたが、さすがの走りでしたね。まだ道中で力む素振りを見せていましたし、気性面の課題はこれからでしょうが、まずは2戦目の進化の跡を示せたと思います。

レースの上がり3ハロンが33.8秒という究極の瞬発力勝負でしたが、上位陣のレベルは相当高いと思いますね。現状、G1制覇に一番近いのはこの馬かもしれませんよ」(競馬記者)

 記者がそう話すのも、サウジアラビアRCの勝ち馬は2017年ダノンプレミアム、18年グランアレグリア、19年サリオスと3年連続でG1馬に出世しているからだ。さらに昨年の勝ち馬が、先日の神戸新聞杯(G2)を制して菊花賞(G1)の最有力候補に躍り出たステラヴェローチェとくれば、コマンドラインにG1級の期待が掛けられるのも当然だろう。

 今年のサウジアラビアRCはそんなハイレベルな一戦だったが、その一方で珍しい現象も起きていたようだ。

「1着が1番人気のコマンドラインで、2着が2番人気のステルナティーア。3着にも3番人気のスタニングローズと3連単が670円という人気通りの結果でしたが、実は残りの4着から7着までも、すべて人気通りの順番という珍しい結果が話題になりました」(別の記者)

 この結果には、レースを見守ったネット上の競馬ファンも「1着から7着まで人気通り!」「こんなことあるのか」「すげえ!」と大盛り上がり。人気はファンの馬券投票が決めるものということもあり「7連単的中してる」という声もあった。

「まだ伸びしろがありますのでレベルアップできると思います。来年のクラシックが楽しみです」

 4年連続リーディングジョッキーとして、大レースを勝ちまくっているルメール騎手だが、昨年は牡馬クラシックと縁がなかった。コマンドラインと共に歩む、来年の期待が大きく膨らんでいるはずだ。

(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

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