2017年クラシックに「ハーツクライ時代」到来!宿敵ディープインパクトを破り、春のクラシックに「魂の叫び」が響き渡るか
また、ハーツクライが種牡馬として徐々にその地位を確立していく一方、14年には1800mのドバイデューティフリーを圧勝し「世界No.1」の評価を受けたジャスタウェイが登場。1番人気で安田記念(G1)も連勝し、スタミナタイプと思われていたハーツクライのイメージを覆した。
この背景には、産まれてからデビューするまで幼駒の馴致を行う生産者側の技術の向上があるという。
「リスグラシュー、アドマイヤミヤビ、スワーヴリチャードなど、本来晩成スタミナタイプだったハーツクライ産駒でこれだけ早く、しかも短い距離で結果を残している産駒の多くは、世界最高峰の育成施設を誇るノーザンファームの出身です。
ジャスタウェイも社台グループ白老ファームの出身ですし、種牡馬として何年も実績を残してきたハーツクライ産駒の『欠点』を補う方法が、社台グループを始めとした生産者の方々のノウハウとして確立されつつあるのではないでしょうか」(同)
実際に、ハーツクライとは逆に「3000m以上で結果が出せない」といわれてきたディープインパクト産駒も、昨年の菊花賞(G1)でサトノダイヤモンドが”汚名”を返上。他にも苦手とされてきた中山の皐月賞(G1)をディーマジェスティが勝つなど、より「万能」な存在に向かって確実に進化を遂げている。
つまり育成側の尽力によって、ディープインパクト産駒が足りなかった「パワー」や「スタミナ」を補ってきたことと同時に、ハーツクライ産駒も「スピード」や「仕上がりの早さ」といった弱点を解消しつつあるということだ。