JRA 岩田康誠「2カ月ぶり美酒」に渾身のガッツポーズ!「騎手は勝ってナンボ」発言に物議も拳に込められた想いとは
16日、阪神7Rに行われた3歳以上1勝クラスは、岩田康誠騎手が騎乗した2番人気イツカハシャチョウ(牡3歳、栗東・吉田直弘厩舎)が勝利。後方から豪快なまくりを決めて、昨年12月の未勝利戦以来の白星を飾った。
12頭立てで行われたダート1800mの一戦。6枠7番から五分のスタートを切った岩田康騎手とイツカハシャチョウだったが、すぐに手綱を控えて後方からの競馬を選択。最初のコーナーを後ろから2番手で通過した。
しかし、2コーナーを回りきって向正面に出た途端、岩田康騎手が動く。外に進路を取って手綱を激しく扱き始めると、左ムチも一発。鞍上のアクションに反応したイツカハシャチョウは一気に上昇を開始し、バックストレッチの中間で早くも先頭まで躍り出た。
ハナをキープしたまま最終コーナーを回ると、直線入り口では後続をさらに突き放してリードを拡大。鞍上の懸命の左ステッキに応え、2着のトレデマンドに3馬身の差をつけたままゴール板を駆け抜けた。
「テンの3ハロン37秒9という緩い流れを読み切った、岩田康騎手らしい見事なまくり一閃でした。また、早めのスパートから最後までしのぎきったイツカハシャチョウも確実に力を付けており、昇級してもいきなり好勝負が期待できるかもしれませんね」(競馬誌ライター)
岩田康騎手は、8月に小倉で挙げたラストヌードル以来の勝利。地方では、先月浦和で行われたオーバルスプリント(G3)の優勝もあったが、JRAではこれが約2ヶ月ぶりの白星だった。ゴール後は左拳を固めて会心のガッツポーズも決めており、喜びもひとしおだったと思われる。
ちなみに同騎手は、上記のオーバルスプリントの勝利インタビューで、「ガッツポーズは自然に出る」「騎手は勝ってナンボ」など独自の理論を展開。これが一部で物議を醸すこととなったのは、まだ記憶に新しい。
やはり今回も、大胆なまくりがズバリと決まった嬉しさから自然と出たパフォーマンスだったのだろうか。
「実は先月、イツカハシャチョウと同じミキハウスHKサービスの所有馬であるミンナノシャチョウが清秋ジャンプS(障害OP)に出走しましたが、2周目の5号障害で転倒して競走中止。第2頸椎骨折の診断が下され、残念ながら予後不良となりました。
今回の勝利は、惜しくもこの世を去った同馬に捧げる会心の白星でもありました。岩田康騎手のガッツポーズには、その想いも込められていたのかもしれません」(同)
岩田康騎手はこの日、メインレースの太秦S(OP)でもメイショウハリオで最後の直線インを突く“らしい騎乗”を見せ、アタマ差2着まで追い迫った。
31日に開催される秋の天皇賞(G1)では、G1・2勝のワールドプレミアとの新コンビも決定するなど、ここにきて上昇気流に乗り始めている。そろそろ大一番での一発にも期待したいところだ。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。